ドコモが月額4,200円~10,500円で、下り最大3.6Mbpsという通信速度でのデータ通信が利用できる新料金プラン「定額データプランHIGH-SPEED」を10月22日より開始する。同社では、サービス開始にあわせて、多くのユーザーに利用してもらうことを目的としたキャンペーンを実施。期間は2007年10月22日~2008年1月31日で、その間は、額利用料の上限が最大4,200円になるとしている。
これにより、PC向け定額サービス時代が本格的にスタートすることになる。同様のサービスは、携帯キャリアではイー・モバイルが、PHSキャリアではウィルコムが提供しているが、加入者規模、対象エリア、通信速度のいずれをとっても、業界へ与える影響は比較にならない。
また、PC向けの定額サービスという領域に踏み込んだということは、競合するソフトバンクモバイルがすぐに追随できなかったことからも分かるように、十分に耐えうる通信インフラを整備しており、運用面でも問題ないという同社の自信の表れという見方もできなくはない。
しかし、このニュースに接し個人的に感じたこと。それは、MVNOへ提供できる電波はあるだろうかということだ。モバイルビジネス研究会の議論が続いている状況で、あえてこの時期にピークトラフィック型のサービスを導入してきたことにちょっとした違和感も覚える。
確か携帯キャリアがMVNO提供に消極的だった頃(今もそうかも知れないが)の理由として、以下の2つの根拠があった。
①そもそも論(通信キャリアは自ら数千億円というリスクを抱えてインフラを構築しており、そうしたリスクをとらないMVNOに何故、賃貸しなくてはいけないのか)
②パンパン論(既に通信トラフィックは逼迫しており、他社へ貸し出す余裕はない)
まさか、網がかかる前にやってしまえという訳ではないとは思いたいが、MVNOの行方にどのような影響を及ぼすのか、注視していく必要があると思う。