AM:ある機器ベンダーとの定例ミーティングにて。
今後のモバイル系キャリアのネットワークインフラの進化について議論となった。
すでに携帯系のキャリアは、次世代技術としてLTE(Long Term Evolution)、またはLTEまでのつなぎとしてDC-HSDPAを導入する動きがはじまっている。
3Gでは、宗教論争のようにW-CDMAとCDMA2000が対立してきたが、次世代ではそろってLTEへ収斂しようとしている。
一方、その対抗馬として位置づけられるウィルコムのXGPとUQコミュニケーションズのモバイルWiMAXのTDD(Time Division Duplex)勢の戦略はどうか?
その関係者によると、TDD方式という縛りがある以上、選択肢は限られており、その最有力候補がTDD-LTEだという。ちなみに、ドコモなど携帯系キャリアが導入を予定しているのは、FDD((Frequency Division Duplex)-LTEである。
TDDは1つの周波数帯を時間軸で細かく区分し、送信と受信を高速に切り替えるのに対し、FDDは周波数帯を送信と受信に分割して同時送受信する。
世界的にも次世代の標準規格となると期待されているLTEに、XGPが、そしてモバイルWiMAXであっても、その延長でコスト的に対抗していくのは至難のワザだという。
しかし、TDD-LTEなら対抗できる可能性は十分にある。理由は、TDD-LTEは世界最大の携帯キャリアであるチャイナモバイルが採用を予定しているからだ。
FDD-LTE方式との互換性も高く、インフラ機器ベンダーの中には1つの無線機でソフトウェアの入れ替えで両規格に変更できるようなところも出てきている。
国内導入への残されたハードルは、官庁へのネゴだけか?
その行方が注目される。