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変容する端末市場で注目されるノキアの「チェンジ」の行方

 CNETによると、投資会社Canaccord Genuityが「iPhone」の粗利益率は50%、営業利益率は30%にもなると発表したという。世界の携帯電話市場で3%程度しかない企業がこの半年あまりの携帯電話端末ベンダーの利益の40%近くを稼いだというのだから、本当ならまさに驚きである。

 周知のように世界の携帯端末市場では、今様々な変容期にある。1つは、売れ筋がフィーチャーフォンと呼ばれる従来の音声端末からスマートフォンへスイッチしたこと。2つ目は、データ通信端末需要という波に乗るかのようにZTE やHuawei といった中国系ベンダーの躍進が目ざましい反面、フィンランドのノキア、スウェーデンのソニーエリソン、米国モトローラなどの欧米系の勢いが少なくとも数の面で陰りが見えることだ。

 欧米系端末ベンダーの不調は、それまでの廉価端末中心の品揃えからスマートフォンといった高級路線へシフトした結果であるという言い方もできるが、その一方で絶対的なポジションにあるノキアは突然CEOが交代するなど、嵐のように変化する市場への対応に苦慮しているようにも映る。

 何せアップルがiPhoneを投入した2007年6月以降、同社の株価は約3分の1になり、時価総額にして日本円で約5兆5,000億円も吹っ飛んだというのだから、ただ事でない。

 端末市場を俯瞰すると高級端末ではiPhone旋風が席巻し、新興国を中心とした低価格端末市場では中国端末ベンダーが欧米系端末ベンダーを上回る低価格で次々に駆逐しながら、それでも一定以上の利益を確保しているような状況にある。

 こうしたなか、自ら開発するより世界中から部品を集め、アジアの低コストでアッセンブリできる製造受託サービスを活用することで大量生産によるシェア拡大戦略で長らくトップに君臨してきたノキアがどのような「チェンジ」で切り抜けていこうとするのか注目される。