Wi-Fi Allianceは10月25日、Wi-Fi対応機器同士をダイレクトに接続するWi-Fi新仕様「Wi-Fi Direct」の製品認証開始を発表した。第一弾として、5製品が「Wi-Fi CERTIFIED Wi-Fi Direct」として認定される。
PC、携帯電話、デジカメ、プリンタなどから、キーボードなどWi-Fiが搭載されている機器(IEEE 802.11 a/g/n)が対象になり、通信速度や通信範囲はWi-Fiと同じで、セキュリティ技術「WPA2」をサポートする。
「Wi-Fi Direct」が注目される点が、どちらか一方の機器がWi-Fi Directに対応していれば、もう一方は非対応でも通信できるということ。
これによって、下記の例のような新アプリケーションが期待される。
・デジタルカメラとプリンター間で写真を転送し印刷する。
・携帯電話内の写真をテレビに転送し表示する。
・PCとiPhoneやiPod touch間でデータ同期を行う。
更に、デザリング機能が使えるようになれば、インターネットを搭載したPCを介して例えばiPod touchからネットに接続するといった使い方も可能となる。
同技術に似たワイヤレス技術としてBluetoothや無線LANルーター、アドホック無線接続を使えば似たようなことは実現可能だ。
しかし
・Bluetoothは転送速度が遅い、接続距離が短い
・無線LANルーター、アドホック無線接続は、接続設定が手間
といったデメリットがある。
Wi-Fi Allianceによると、2010年に8200万台のWi-Fi対応家電製品と2億1600万台のWi-Fi対応ハンドセットが出荷され、2014年までWi-Fi対応機器は年率26%で増加していくと予測している。特に近年は携帯電話へのWi-Fi搭載が急増しており、2009年に出荷されたWi-Fi対応機器の4分の1は携帯電話だった。
Wi-Fiと携帯の融合化によって、新たな無線アプリケーションが今後創出されていきそうだ。