携帯3社の秋冬端末が出揃った8日、TCAより10月末の携帯電話・PHS契約数が発表された。
純増競争ではソフトバンクモバイルが2位に5倍以上の大差をつけ、7カ月連続の首位を獲得した。
ソフトバンクの純増数は32万4200件、2位のイー・モバイルは6万800件、KDDI(au)は5万8400件で、最下位はNTTドコモの5万7700件だった。また、モバイルWiMAXを提供しているUQコミュニケーションズの純増数は3万6200件で、会社更生手続き中のウィルコムのPHSは4万1900件の純減だった。
ソフトバンクでは相変わらず「iPhone」が好調で、2位のイー・モバイルはWiFiルータが顧客獲得に貢献した。それに対してドコモは「GALAXY S」、KDDIは「IS03」という戦略商品を投入するも、実際の発売時期は11月からと10月の純増にはほとんど寄与しなかったことが響いた格好だ。
MNP競争ではソフトバンクが8万8000件の転入超過(プラス)となる一方、ドコモが5万2500件、KDDIが3万4800件、イー・モバイルが900件の転出超過(マイナス)となった。
10月の端末タイプ別の動向(独自推計)としては以下の通り。
◎ソフトバンク-純増の7割弱をスマホ&フィーチャーフォンが占め、約2割を通信モジュール系となっている。
◎イー・モバイル-引き続きスマホ&フィーチャーフォンタイプの減少が続くなかで、WiFiルータを含む通信カードとプリペイドが純増を押し上げている。
◎KDDI-従来のフィーチャーフォンタイプの純増が減少傾向にあるなかで、通信カード&通信モジュールがコンスタントに数字を獲得している。
◎ドコモ-スマホ&フィーチャーフォンタイプが純増の半分以上を占める一方で、これまで同社の純増を牽引してきた通信カード系が急減。
携帯キャリア別の地域別動向としては以下の通り。
◎ソフトバンク-純増数の内訳:首都圏59%、関西15%、東海10%、他15%
◎KDDI -純増数の内訳:首都圏46%、関西14%、東海 9%、他31%
◎ドコモ -純増数の内訳:首都圏66%、関西 7%、東海 -%、他27%
*ドコモ東海エリアについては、今回200回線の純減だった。
今年の秋冬商戦では、3社で70機種以上(ドコモ28機種/KDDI23機種/ソフトバンク24機種)の新端末が投入され、顧客獲得競争を繰り広げることとなる。
新端末発表で先行したKDDIとソフトバンクがAndroid新機種を中心に据えたのに対し、ドコモはスマートフォン(AndroidおよびBlackBerry)、iモード端末(=フィーチャーフォン)、LTEサービスの3分野をバランスよく配分しながら、他社にない独自端末を数多く取り揃えてきた。
更にドコモの端末発売予定を見ていると2011年3月に確定しているものは1機種もないことから、時期を見て隠し玉の投入もありそうだ。
注目を集めるスマートフォンについては、これまでのような高機能型だけでなく海外の廉価版も投入されてくるあたり、今後はフィーチャーフォンとスマートフォンの融合が加速していくと予感させる。
「ストップ・ザ・iPhone」で一斉に動き出した秋冬商戦の熱い戦いがはじまった。