和製スマートフォンとして注目を集める「IS03」が11月26日より発売されることが決まった。ワンセグやおサイフ機能、赤外線通信、Ezwebメールを搭載するほか、LISMO!やau one ナビウォーク、携帯電話向けソーシャルゲーム「サンシャイン王国」など独自サービスも移植されている。
これまでスマートフォン市場では、先行する「iPhone」をドコモが4月に発売した「Xperia(ソニー・エリクソン)」と10月の「GALAXY S(サムスン)」が追撃する構図だったが、これに「IS03(シャープ)」が参戦する。
量販店のPOSデータを集計しているBCNによると、10月のスマートフォンの比率は、過去最大の33.1%を記録したとしている。9月は27.8%だったが、10月に「GALAXY S」が投入されたことで、スマートフォンの比率が更に上昇した格好だ。
BCNの集計対象店舗という条件付だが、携帯電話全体の販売台数に占める、32GBモデルと16GBモデルを合算した「iPhone 4」のシェアは21.1%と5台に1台は同端末ということになる。
一方、10月の携帯キャリア別のスマートフォン比率では、「iPhone 4」効果でソフトバンクモバイルが71.9%と圧倒的だが、ドコモも23.6%と4台に1台はスマートフォンという計算だ。それに対し、出遅れたKDDIはわずか6.3%しかなく、今回の「IS03」投入によってどのくらいキャッチップできるか注目される。
次にアングルを端末ベンダーに移すと、国内スマートフォン市場を牽引してきたのは、これまでは外資系端末ベンダーである。そうでなくても市場の収縮は加速しており、合併などで生き残りを目指している国内勢にとっては、スマートフォンの波に乗り切れていないことにじくじたる想いがあるのではないかと推察する。
そこで、ここにきて国内端末ベンダーの雄であるシャープとパナソニックが相次いでスマートフォンに関する説明会を開催し、同事業の強化を鮮明に打ち出した。撤退するノートパソコンの部隊をスマートフォン開発に振り分けるとするシャープは、スマートフォンの国内販売台数を2~3年以内に年間500万台に引き上げ、約30%のシェアを目指す方針を表明。また、パナソニックは、2011年前半にAndroidスマートフォン投入し、2015年には海外市場を含め1,500万台の出荷を目指すとしている。
スマートフォンの台頭が、国内端末ベンダー復活のトリガーになりえるのか、それとも・・・。モバイル市場の構図がスマートフォンによって日に日に変容しているように映る。