Research Note:

強まる設備投資の抑制

ようやく、「2015年度における携帯電話市場の動向と予測」が発刊しました。制作が遅れ、ご予約いただいておりました関係各位には大変ご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫びいたします。

前回の「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測」発刊から、およそ3ヶ月の期間でしたが、設備投資額関連でも新たな動きが出ています。無事に900MHz帯を獲得したソフトバンクモバイルは投資拡大を発表する反面、その他のキャリアは投資を抑制する方向にあります。

ソフトバンクモバイルは900MHz帯を獲得したことに伴い、これまで2011と2012年度の2年間の連結設備投資額を1兆円としていたソフトバンクが、1,000億円積み増しし、1兆1,000億円としました。また、2013年度に4,500億円の投資を計画することにより、2011から2013年度の3年間合計で1兆5,500億円としています。投資抑制を強めるNTTドコモとKDDI(au)に比べ、ソフトバンクの投資意欲は旺盛です。

一方、NTTドコモの投資抑制は続いていく見込みですが、7,000億円という業界トップの投資規模は継続するものとみています。また、KDDI(au)は2012年度にLTEサービスとEV-DO Advancedを導入するため、一時的に微増となりますが、全般的に投資抑制が進む見込みです。

設備投資に関し、平均的な投資を計画するNTTドコモ、上下の激しいソフトバンクモバイル、緩やかに上下するKDDI(au)といったイメージです。特にKDDI(au)の場合、設備投資は緩やかに推移していますが、2008年度を境に抑制が続いています。2012年度に微増の投資が予想されますが、再び投資抑制傾向になるものと推測されます。

弊社ではKDDI(au)の投資額は2014年度以降、3,000億円規模に落ち込むものと推測しました。しかし、これが2013年度に3,000億円規模、2014年度以降にはさらに抑制される可能性もあり得るのではないかとみています。

関連資料
2015年度における携帯電話市場の動向と予測」 ~キャリアの視点から2015年度の携帯電話市場を総合的に分析~

携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測
~基地局市場をキャリア・メーカー・エンジニアリング会社等多角的な視点からトータルに分析~