ウィルコムのPHSユーザ数が順調に増加しています。2012年3月単月には13万1,500件の純増を記録しました。それに伴い、累積ユーザ数が過去最高の468万1,600件となり、2007年7月の465万9,100件を超え、4年8ヶ月ぶりの過去最高値を更新しています。
一時は携帯電話サービスとの競合からユーザ数が減少し、経営が悪化した結果、2010年2月に会社更生法の適用申請を行いました。その後、2010年12月にはソフトバンク傘下となり、経営の立て直しを図っています。
転機となったのは、2010年12月から提供を開始した「だれとでも定額」です。だれとでも定額は携帯電話や固定電話サービスでも10分以内の通話であれば、500回まで月額980円でかけ放題となる料金プランです。サービス開始から学生など若年層を中心に人気を集めており、通話専用の2台目需要を取り込んでいる状況といえます。
思えば、PHSサービスは従来から若年層向けの移動体通信サービスとされていました。そのような中、PHSサービスはだれとでも定額の提供により、通話専用端末としての存在を確立したのではないでしょうか。携帯電話サービスとの真正面からの競合ではなく、大手キャリアの提供が困難な、だれとでも定額はウィルコムが見出したPHSサービスの大きな差別化ポイントといえるかもしれません。