スマートフォンを活用したクレジット決済サービス「モバイルペイメント」への参入が相次いでいる。2012年9月に「PayPal Here」が、12月には「楽天スマートペイ」がそれぞれサービスを開始。また、2012年6月から先行試験サービスを展開していた「Coiney」も10月に正式サービスをスタートさせている。
決済にスマートフォンを使っているだけに、キャリアとの連携も顕著となっており、2月にはKDDIが「楽天スマートペイ」の取扱開始を発表したばかりだ。キャリアにとっては、スマートフォンの普及を進める上でのキーの1つと位置づけているとみられる。
そこで、主なモバイルペイメントサービスの内容を比較してみたい。
▼モバイルペイメントサービスの内容比較
※リンク・プロセシングからは、iPhoneに対応した「Anywhere」サービスも提供されている。方式は「カードリーダーとバーコードリーダーを搭載した専用ジャケット」。
(2013年2月27日現在)
今回取り上げたのは、NTTドコモと同社が資本提携したリンク・プロセシングが協力して販売を行う「Anywhere(Android版)」、ソフトバンクとペイパルによる合弁会社であるPayPal Japanが提供する「PayPal Here」、楽天が提供する「楽天スマートペイ」、コイニーが提供する「Coiney」の4サービス。
対応するスマホは、Anywhereがドコモ端末、PayPal Hereがソフトバンクモバイル端末とキャリアが限定されているのに対し、楽天スマートペイとCoineyにそのような縛りはない。
方式は、Anywhereのみカードリーダーとプリンターの機能が一体となった小型端末とBluetoothで接続するタイプで、残りの3サービスはカードリーダーをイヤホンジャックに差し込むタイプとなっている。
方式にとどまらず、Anywhereとその他のサービスでは違いが目立つ。
Anywhereの場合、ポイントカードやプリペイドカードでの決済が可能なほか、プリンタを使った領収書の発行も行えるなど、総じて高機能となっている分、利用料が月額で最低1,000円必要となる。
また、導入する企業・店舗がクレジットカード会社と加盟店契約を結ぶ必要がある点も大きな違いとなっている。他サービスの場合、サービス提供企業との契約のみで決済機能が利用できる(そのかわり、契約時に審査がある)。
PayPal Here、楽天スマートペイ、Coineyの場合、初期費用は3,000円以内で月額固定費用はゼロ円とランニングコストが抑えられている。
Coineyは決済手数料が4.0%で3サービス中最も低いが、入金が月1回で決められておりサイクルは最長となっている。
ちなみに、モバイルペイメントは、今回取り上げたもの以外にも「ペイメント・マイスター」「Paygate」「PitPay」「PastelPort Plus」など数多くのサービスがある。