『iPhone』戦国時代の競争構図(3):

歴史を振り返れば

 通信産業の競争戦略を論じる時に、どういったフレームワークがいいのだろうか。

 色々と研究しているが、なかなかピタッとくるものはない。特に、グローバルに技術やサービス、競争関係が目まぐるしく変化するモバイル分野については、その産業ポテンシャルの割りには関わっている研究者は少ないように感じる。

 固定、携帯電話を問わず、通信サービスという業態を考えるとき、生業としては水道や電気と似ている。

 しかし、先に述べたように、その変化のスピードが決定的に違う。その点で、ポジショニング理論などの静的アプローチに無理があることは明らかだろう。

 今回、3キャリアがiPhoneで横並びとなり、もともと差別化要素の少ない競争軸を打ち出すことが更に難しくなったように思える。

 マスコミ的には、サービス内容やネットワーク品質だという書き方をしていることが多いように見受けられるが、それが決定的な差別化要素になるとは考えにくい。

むしろ歴史を振り返れば、
・何故、ドコモはiモードで携帯市場を席巻できたのか
・何故、3G離陸の際にKDDIが一人勝ちしたのか
・そして、何故ソフトバンクは純増競争でリードを続けられているのか

 そこから得られるファクトを深く分析する時期のような気がする。きっとそこにヒントがあるはずた。