いよいよ、国内市場でも本格的にVoLTE(Voice over LTE)が動き出した。すでに韓国市場ではVoLTEサービスの提供が開始されており、米国でも2014年中の運用が予定されている。
エリクソン・ジャパンが2013年10月31日に、ソフトバンクモバイルのVoLTEソリューション供給ベンダに選定されたと発表した。今後、エリクソン・ジャパンはソフトバンクモバイルの既存モバイルコアネットワークへIMSコアの導入、アップグレードを行う。
VoLTEインフラはソフトバンクモバイルの将来のネットワーク仮想化計画とテレコムクラウド導入のベースにもなり、ネットワークの周波数利用効率の向上も期待できる。
また、ノキア ソリューションズ&ネットワークス(NSN)も10月30日に、プライベートイベント「eXperience Day2013」を開催した。イベントではVoLTE SRVCCのデモも実施され、クリアな音声を聴くことができた。
すでに韓国市場ではSK TelecomとLG U+がVoLTEサービスを提供しており、NSNは両社に機器を供給している。韓国市場でのVoLTE商用化はLTEネットワークのみでの運用となり、国内市場のLTEとW-CDMA方式ネットワーク混在の運用とは様相が異なる。
NSNのVoLTE SRVCCは国内キャリアと同様に通信方式が混在しているシンガポールStarHubが導入する予定とされる。国内市場でもエリクソン・ジャパンによるソフトバンクモバイルへの供給が決定した今、NSNはすでに取引のあるKDDIへの供給を決定したいところであろう。
一方、NTTドコモの動きはどうであろうか。2013年6月に、NTTドコモが携帯電話の音声通話に定額料金を採用する検討を開始したと報道された。報道によると、2014年度を目標に、新規投入する端末から音声定額制サービスを標準化する方針で、利用料は月額1,000円前後を軸に調整するという。
おそらく、このサービスはVoLTEを利用したものになる見込みである。以前、国内ベンダからNTTドコモはVoLTEの品質にはこだわっていると話を聞いたことがあり、商用化されるVoLTEサービスには高品質な音質が期待できそうだ。
NTTドコモが2014年中の提供開始ということから、他キャリアも追随するものとみられる。国内市場でも2014年以降、音声定額制サービスが標準的なサービスになっていくであろう。