キャリア各社が2013年冬~2014年春モデルの携帯電話新機種発表を行い、タブレット端末の新機種についても明らかになった。前回の記事で明らかにしたとおり、2013年冬モデルで富士通モバイルがKDDI向けに「ARROWS」ブランドのタブレット端末を初めて投入する一方、サムスン、NECカシオ、パナソニックは2013年の新機種発売を見送った。
今回はキャリア別にコンシューマ向けタブレット端末の動向を整理してみたい。
アップルの「iPad」が国内で発売開始となったのが2010年5月のこと。当初はiPhone同様ソフトバンクモバイルが国内では独占的にWi-Fi+Cellularモデルを取り扱っていたが、2012年11月の「iPad Retina」「iPad mini」以降はKDDIからも発売されることとなった。
一方、キャリアが取り扱うAndroidタブレットとしては、NTTドコモが2012年11月より発売を開始した、サムスン「GALAXY Tab」が先鞭をつけた。
NTTドコモは、今年12月発売予定の「ARROWS Tab」を含めて現在までに8メーカーの端末を発売している。
タブレット端末を取り扱いはじめた2010年から2011年春にかけてはサムスン、LGの端末のみで、国内メーカーの端末は発売していなかった。国内メーカーの端末が最初に投入されたのは2011年冬モデルの「ARROWS Tab F-01D」で、その後はNECカシオモバイル、パナソニックなどの端末も発売された。
NTTドコモの場合、2013年3月に発売された「dtab 01」を除き、端末には必ず通信機能を付けている点が特徴。
2011年冬モデルから「ドコモ タブレット」というカテゴリーが新設されたが、それまではタブレットもスマートフォンカテゴリの一部とみなしていた。また、音声通話機能を備えた端末も発売されており、スマートフォンの延長として位置づける傾向が強い。
多くのメーカーから端末供給を受けるNTTドコモと対照的なのがソフトバンクだ。タブレットに関しては「iPad」シリーズのみの取り扱いで、それ以外のメーカーからは供給を受けていない。
特徴として、同じiPadを取り扱うKDDIと異なり、Wi-Fi+CellularモデルとあわせてWi-Fiモデルも取り扱っている点が挙げられる。
NTTドコモとソフトバンクモバイルの中間に位置するのがKDDIだ。
端末数はNTTドコモに比べて少ないが、Androidタブでは通信機能のないWi-Fiモデル(主に海外メーカー)も通信機能付きモデル(主に国内メーカー)も揃え、かつiPad、Google Nexusも扱うなどバリエーションが非常に幅広くなっている。
イー・モバイルとUQはいずれも、2011年と2012年にタブレット端末を発売している。
イー・モバイルはPocket WiFiに代表されるWi-Fiルータとのセット販売を狙い、通信機能のないWi-Fiタブレットが中心となっているのに対し、UQは通信機能付き端末を発売する傾向があったが、両社とも今年は新製品の投入は見送る模様。
以上、各キャリアのタブレット端末の動向をまとめてみたが、最後に今後の焦点を2つ挙げてみたい。
1つは、NTTドコモがiPadの取り扱いを開始するのかどうか、また開始した場合、Androidタブレットの新端末投入ペースが落ちるかどうかだ。iPadの取り扱いを開始した場合、Androidタブレットに対する需要が減少することも予想されるだけに、新端末の投入は慎重にならざるを得ないとみられる。
もう1つはWindows8タブレットの扱いだ。現状、レノボ、NEC、富士通、パナソニック、hpなどがNTTドコモ向けにWindows8タブレット製品を発売している。hpはKDDIにもWindows8タブレットを供給しているが、両キャリアとも法人向け製品という位置付けで、コンシューマ向けには販売を行っていない。今後コンシューマ向けに解禁されるのかも焦点となるだろう。