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2015年にLTE-Aサービスを提供する予定のキャリアはどこだ?

2015年にも国内市場において、LTE-Advanced(LTE-A)の商用サービスが開始される見通しとなった。総務省が2013年11月に、電波監理審議会へ下り最大1Gbps以上を実現するLTE-Aサービスの国内導入に向けた無線設備規則などの改正案を諮問したためである。

電波監理審議会は原案通りに認める答申で、総務省は近く改正を施行し、2014年からLTE-A基地局などが整備できるようになる。ちなみにLTE-Aは3GPPで規定されたLTEの次世代移動通信規格で、LTEとの上位互換性を持っている。

法制度などによるLTE-A導入の後押しが進む中、実際のキャリアや無線機ベンダの動向はどうだろうか。

NTTドコモは11月に、LTEのマルチバンド対応屋内基地局装置と屋内アンテナを開発したと発表した。これらは2.1G/1.7G/1.5GHz帯に対応し、LTE-Aにおけるキャリアアグリケーションにも対応している。

ソフトバンクモバイルも8月に、東京都内の銀座及び池袋周辺において、3.4~3.6GHz帯を利用したLTE-A TDDの実証実験を実施した。LTE-A TDDはIMT-Advancedの無線インタフェース技術として、3GPPによって技術仕様が策定された技術である。

イー・アクセスも9月に、1.7GHz帯でのLTE実証実験において、下り291Mbpsの通信速度を記録したと発表した。同実証実験ではLTEで連続20MHz幅を利用した場合と、LTE-Aのキャリアアグリゲーションで合計20MHz幅を束ねて利用した場合で実施された。

一方、無線機ベンダは2月以降、NTTドコモがLTE-Aに対応した高密度基地局装置の開発ベンダ選定の発表が相次いだ。まずは2月21日にパナソニック システムネットワークス(PSN、当時はパナソニック モバイルコミュニケーションズ)とNSNが、続く27日にはNECが、3月1日には富士通が選定された。

PSN/NSNは複数年契約の下、2015年度の開発完了を目指し、LTE-Aの要件に適合した大容量基地局をNTTドコモに提供する計画になっている。さらにスモールセル導入に用いる光張出し無線装置(RRH:Remote Radio Head)も提供する。

NECはNTTドコモの高度化C-RAN(Centralized Radio Access Network)アーキテクチャ」に、高密度基地局装置を対応させる。また、スモールセル向け光張出し無線装置(SRE:low power Small optical remote Radio Equipment)の開発ベンダにも選定されている。

キャリア、無線機ベンダ各社ともにLTE-Aの導入に向けた取り組みが進む中、実際のLTE-Aサービスの提供はどのキャリアが早いだろうか。

採用している無線機の状況をみると、海外ベンダ製のKDDI(au)やソフトバンクモバイルはLTE-Aへのロードマップも盛り込まれ、いち早いサービス提供が可能な声が多い。LTEサービスの高速化状況からはNTTドコモやKDDI(au)が下り最大150Mbps化を進め、ソフトバンクモバイルは後塵を拝している。

これらを踏まえると、海外ベンダの最新無線機を採用し、LTEサービスの高速化で見劣りのするソフトバンクモバイルが起死回生の一手として、LTE-Aサービスの先行提供を考えていてもおかしくない。他キャリアに先駆けてLTE-Aサービスを提供することで一歩先を進む可能性もある。

しかし、NTTドコモもベンダ選定のアピールやR&D部門の存在、トラフィック対策などから、LTEサービスと同様に国内初のLTE-Aサービス提供を行う可能性も高い。

携帯電話サービス以外にも目を向けると、WiMAX 2+サービスの高速化が想定される。UQコミュニケーションズが2014年春に下り最大220MbpsのWiMAX 2+サービスを提供する計画である。セルラーキャリア各社は対抗サービスとして、LTE-Aサービス提供は必然ともいえる。

果たして、2015年にも開始が見込まれるLTE-Aサービスの提供は一体、どのキャリアになるのか、今から待ち遠しい。

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