現在キャリア各社は「エリア」や「接続状況」「通信速度」など、さまざまな観点から電波品質の良さを強調しているが、特にLTEネットワークを力説の重点に据えている。
携帯電話の基地局数が2014年2月末時点で約58万局に達している(申請ベース、MCA調べ)ことは前回お伝えした通りだが、この数字にはLTEより前の通信規格である3Gに対応した基地局数も含まれたものになっている。
そこで今回は、主軸のLTEに対応した基地局の状況について、弊社の調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2014年版」をもとに、最新情報も含めて見ていきたい。
2013年度におけるLTE基地局数は18万2,200局と推定した。NTTドコモが50,800局、KDDI(au)は88,500局、ソフトバンクモバイルが33,200局、イー・アクセス(イー・モバイル)は9,700局の見込みである。
2014年3月1日時点における総務省の「無線局情報検索 無線局統計情報」ではLTE基地局数が20万3,426局になった。NTTドコモが61,062局、KDDI(au)は97,755局、ソフトバンクモバイルが34,048局、イー・アクセス(イー・モバイル)は10,561局となっている。
図:LTE基地局数(単位:局)
LTE基地局数に関しては、NTTドコモとKDDI(au)の伸びが著しく、10,000局規模の上乗せになった。一方、ソフトバンクモバイルは1,000局規模の伸びにとどまり、2.1GHz帯LTE展開に落ち着きがみられる。
なお、無線局情報検索 無線局統計情報は申請数であり、置局ベースではない。また、ひとくちに「基地局」と言っても、1つの基地局がカバーする範囲は設備の大きさや電波出力などによって半径数kmのものから半径数mレベルまで存在する。ゆえに基地局の数だけでは単純比較できない点にも留意が必要だ。
次回は、キャリア各社の利用可能周波数帯についてお伝えしていきたい。
本記事の詳細は「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2014年版」をあわせてご参照ください。 |