総務省から新たに割り当てられる3.4G~3.6GHz帯に、キャリア各社はLTE-Advanced TDDの導入を計画している。3.4G~3.6GHz帯という高い周波数帯には、従来のマクロセルよりもスモールセルの展開が最適とされ、このところスモールセルの存在感が増してきた。
スモールセルといえば、KDDI(au)のピコセルが有名であるが、スモールセルを語る前に、改めてキャリア各社の保有周波数帯とLTE化の状況をみて行きたい。以下の表は、2013年3月末と2014年3月末におけるキャリア各社のLTE化状況を示したものになっている。
その結果、2013年3月末時点で保有周波数帯のLTE化が済んでいたKDDI(au)、移行途中のNTTドコモ、2.1GHz帯のみLTE化のソフトバンクモバイルに分類できる。保有周波数帯をそのままLTEへ移行できた点が、KDDI(au)のスピーディなLTE化の一因となっている。
2013年3月末と2014年3月末におけるキャリア各社のLTE化状況 |
当初からピコセルを用いてLTEエリアの積極拡大(ロケットスタート)を図ったKDDI(au)に対し、NTTドコモはスモールセル(小セル)よりも多セクタ化を推進し、ソフトバンクモバイルはWi-Fiやフェムトセルを用いたオフロードを重視した。キャリア各社におけるスモールセルへの取り組みの違いが、その後の展開の大きな差となってあらわれることになった。
以上のようなLTE基地局を巡るモバイルキャリアの競争構図については、「スモールセルをめぐるキャリアおよびベンダ各社の戦略と市場展望」でも述べられているが、同誌では更に一段踏み込みスモールセルを中心に分析を試みているのが大きな特徴となっている。
本記事の詳細は 「スモールセルをめぐるキャリアおよびベンダ各社の戦略と市場展望」 をあわせてご参照ください。 |
〔キャリア各社のスモールセルへの取り組み〕
1. LTE-A登場で存在感が増したスモールセル
2. エリア補完からトラフィック対策へもピコセルの用途を拡大したau
3. スモールセル開発はauに先行したが、多セクタ化に注力するNTTドコモ
4. スモールセル展開にWCPのクラウド基地局を用いるSBM