KDDI(au)のLTE化が他キャリアに比べて進んでいた背景には、ピコセル(スモールセル)の採用が大きく影響している。
エリア補完からトラフィック対策へもピコセルの用途を拡大したau
NTTドコモに後れること約2年、当時のKDDI(au)はLTE導入に際し、ロケットスタートを図るとアピールしていた。そのロケットスタートの要がピコセルの採用だった。
ピコセルであれば、マクロセルに比べ、早期にLTEエリアを構築できる。主要なランドマークや交通機関、地下鉄や商業ビルなどにもピコセルを積極展開することで、きめ細やかな電波環境作りが可能となる。それが、LTEで先行していたNTTドコモを早期にキャッチアップできた理由だった。
当初、KDDI(au)はLTEエリアのセルエッジにピコセルを用い、LTEエリアを補完する目的がメインだったが、現在では急増するトラフィック対策にも活用されている。
「スモールセルをめぐるキャリアおよびベンダ各社の戦略と市場展望」 KDDIはじめモバイルキャリア各社の基地局展開とセル構造、東京23区における全基地局設置状況、市場規模予測、さらに無線機ベンダ・デバイスメーカ、工事会社の戦略をまとめた調査レポート。 |
〔キャリア各社のスモールセルへの取り組み〕
1. LTE-A登場で存在感が増したスモールセル
2. エリア補完からトラフィック対策へもピコセルの用途を拡大したau
3. スモールセル開発はauに先行したが、多セクタ化に注力するNTTドコモ
4. スモールセル展開にWCPのクラウド基地局を用いるSBM