携帯キャリア各社は、マス市場の成熟化を受け、法人市場強化へ向け体制の充実を図っている。そうした中、成長性が期待されているのが中小企業向け市場(いわゆるSMB 市場)である。中小企業におけるモバイル機器の導入状況をMCAの調査レポート「中小企業における携帯電話・スマートフォン・タブレット導入実態調査」から見ていきたい。
MCAでは「経営者・役員」「会社員」「自営業者」を対象に、勤務先企業における法人契約モバイル機器の導入に関するアンケート調査を2014年3月に実施した。
その結果、企業における法人契約モバイル機器の導入率は、企業の従業者数が1~4名の企業においては18.3%にとどまる一方、1,000名以上規模では7割近くが導入していることが明らかになった。従業者数が多くなるにつれて導入率も上昇する傾向が顕著にみられた。
法人契約モバイル機器の導入率(従業員規模別) |
(出典:MCA) |
従業員規模別の導入率から法人契約モバイル機器の導入社数(個人事業主を除く)を推定したところ、法人契約モバイル機器を導入しているのは55.3万社とみられる。個人事業主を除いた国内法人数は約195万社(総務省・経済産業省「平成24年経済センサス-活動調査」)であり、導入率は28.4%と推計される。
今回のアンケートでは、中小企業に勤務する「経営者・役員」「会社員」「自営業」を対象に、具体的な法人契約モバイル機器の導入台数や契約方法、BYOD、MNP状況など、詳細な導入実態を調べている。これら調査から中小企業のモバイル機器契約数を算出したところ、全国の中小企業(従業員数99名以下)で合計535万台と推計される。具体的には、従来型携帯電話が233万台、スマートフォンが203万台と推計される。
中小企業における法人契約モバイル機器の契約数 (単位:万台) |
(出典:MCA推計) |
従来型携帯電話とスマートフォンの契約数をキャリア別に比較すると、NTTドコモは従来型携帯電話、KDDI(au)とソフトバンクはスマートフォンの比率が高いことも推計から明らかになった。
本記事の詳細は「中小企業における携帯電話・スマートフォン・タブレット導入実態調査」をあわせてご参照ください。 |