DVDレンタル大手のゲオが「独自格安SIM」と「専門店舗」を軸にモバイル事業を積極化させている。それぞれの軸についての動きを前編と後編の2回に分けて取り上げていく。前編では、専門店舗の状況を見ていきたい。
総合モバイル専門店をオープン
ゲオは同社初の総合モバイル専門店「Smart&Collection 名古屋大須店」を4月12日にオープンさせた。名古屋駅から地下鉄で10分ほどの上前津駅が最寄り駅の店舗で、NTTドコモ・au・ソフトバンク・ウィルコムの携帯電話契約が行える一方、中古の携帯・スマートフォン在庫を1000台以上取り揃えており、新品・中古のどちらのニーズにも応えられる店作りを行っている。
「Smart&Collection 名古屋大須店」店内イメージ | |
写真提供:ゲオホールディングス |
ちなみに、ゲオが新品の携帯電話を取り扱うのは今回がはじめてという訳ではなく、以前より携帯電話を取り扱う店舗を北海道と東海地方を中心に約40店舗程度展開している。同社は、北海道を中心に展開していた家電量販店、そうご電器を2002年10月に100%子会社化しているが、そうご電器で以前より新品の携帯電話を取り扱っていたことが取り扱いの経緯となっている。
店舗では携帯電話本体だけでなく、スマートフォン用のケースやアクセサリー類など、1700種類以上の周辺機器も取り揃えている。
同社では既に衣類・服飾専門リユース店舗「ジャンブルストア」、総合リユースショップ「セカンドストリート」を展開しており、リユース品専門店の新たなカテゴリーとして中古携帯端末に同社が着目していることを示唆する施策である。
また、販売方法などでさまざまな施策がテストできる実験店舗としての活用も考えられる。同社では「今後、店舗で格安SIMと中古端末を同時購入した際に設定を代行するなど、アフターサポート面を充実させることも検討中」としており、専門店で販売方法を確立しゲオ店舗へノウハウをフィードバックしたり、スタッフの教育を行う場として活用するケースも出てきそうだ。
なお「Smart&Collection」は、将来的には全国の政令指定都市を中心に20店舗以上の出店を目指す方針。
後編では独自格安SIM「Smart G-SIM」に関する取り組みを取り上げる。