2014年度 携帯キャリアの基地局投資を占う(2):

2014年度をLTEエリア仕上げの年と位置付けるNTTドコモ/KDDI

本連載の第1回目となる前回は、2014年度の動向を探る前段階として、2013年度のモバイルネットワーク投資の状況を振り返ってみた。今回から2014年度の動きをみていきたい。

2014年度をLTEエリア仕上げの年と位置付けるNTTドコモ/KDDI(au)

NTTドコモとKDDI(au)は2014年度をLTEネットワーク構築の仕上げの年と位置付け、NTTドコモは微減、KDDI(au)が微増を計画している。

それに対してソフトバンクモバイルは、これまで前倒しで進めてきた設備投資がひと段落することから、今後は 減少傾向に反転すると見ている。

2014年度の具体的な設備投資額については、NTTドコモが前年度比1.9%減となる6,900億円、KDDI(au)はモバイル向けとして同19.9%増の3,800億円を計画(公表値)する一方で、ソフトバンクモバイルの移動通信事業については同30.3%減となる4,500億円(連結投資額から固定通信事業/ インターネット事業/その他の約1,000億円を差し引いた額)と独自推計(MCA)している。

携帯キャリア3社における設備投資額の推移と計画(2013~2014年度、単位:億円)
キャリア名2013年度2014年度
NTTドコモ7,0316,900
 LTE向け投資3,8784,650
KDDI(au)のモバイル3,7403,800
ソフトバンクモバイルの
移動通信事業(連結)
6,4544,500
合計17,22515,200
※ソフトバンクモバイルの2014年度は連結投資額5,500億円から固定通信事業/
インターネット事業/その他の約1,000億円を差し引いた額。
※出典:キャリア各社のIR資料。
 
【関連調査レポート】
携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2014年版
をあわせてご参照ください。
2014年度 携帯キャリアの基地局投資を占う
  1. 高水準で推移した2013年度のモバイルネットワーク投資
  2. 2014年度をLTEエリア仕上げの年と位置付けるNTTドコモ/KDDI
  3. NTTドコモ:2/3をLTE向けに重点投資
  4. KDDI(au):LTEネットワーク仕上げのフェーズへ突入
携帯基地局の今
  1. キャリア各社の電波状況を左右する「基地局」は現在約58万局、各社の基地局数は?
  2. 約58万局に達した携帯基地局、そのうち約3分の1がLTE基地局
  3. キャリア6社の周波数帯運用状況と2014年以降の追加割当状況を整理
  4. 国内無線機市場、サムスンとエリクソンの攻勢を受ける国内最大手のNSN