NFVで大きく変貌するキャリア設備投資・インフラ機器(4):

国内通信キャリア向けIP関連機器のメーカーシェア動向

前回は通信キャリア向け国内IP関連機器市場の推移を取り上げたが、本連載の最後となる今回は、国内IP関連機器のメーカーシェアについて取りまとめた。

なお、詳細なシェア状況については、株式会社MCAの調査レポート「主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場2014年度版」に掲載されている。あわせてご参照いただきたい。

国内通信キャリア向けIP関連機器のメーカーシェア動向

交換容量が数10Gbpsクラスの大型ルータ市場では、シスコが圧倒的なシェアを持っている。世界市場でもシスコ、ジュニパーの2社が90%のシェアを占めるという寡占市場である。この状況はNTTを含む国内キャリアの基幹ネットワーク市場でも同様だ。

IPネットワークの構築に不可欠な高速ルータ製品では米国メーカーが技術的に優位に立っており、米国の最新機器をいち早く日本に持ち込むことができるシステム・プロバイダに利があった。また、サポート面でも、超高速ルータの場合、設置拠点は限られるため、国内メーカーのような全国的なサポート体制も必要ない。その分コスト的にも優位性があった。

MAN向けハイエンドスイッチの分野では、ネットワーク機器最大手のシスコシステムズをはじめ、アライドテレシス、エクストリームネットワークス、ジュニパー・ネットワークス、ブロケード コミュニケーションズなどの競合ベンダがひしめいている。

スイッチのメーカーシェア
(出典:MCA調べ)

※シェアは調査対象通信キャリア
のみの集計に基づく


日本メーカーでは、KDDIや電力系キャリアに実績のある日立金属が健闘している。

本記事の詳細は「主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場2014年度版~NFVで大きく変貌するキャリアの設備投資動向と通信インフラ機器市場を予測」をあわせてご参照ください。
NFVで大きく変貌するキャリア設備投資・インフラ機器
  1. 日本の通信機器市場でも存在感増す海外ベンダ、国内ベンダと異なる製品コンセプト
  2. 減収続くNTT東日本、今後の設備投資動向は?
  3. 通信キャリア向け国内IP関連機器市場の推移
  4. 国内通信キャリア向けIP関連機器のメーカーシェア動向