携帯キャリア各社の2014年度基地局投資動向を探る本連載。個別キャリアごとの動きについて、前回のNTTドコモに引き続き、今回はKDDI(au)を取り上げる。
KDDI(au):LTEネットワーク仕上げのフェーズへ突入
KDDI(au)のモバイル向け投資は2014年度に3,800億円を計画し、前年度の3,740億円(モバイル向けとLTE設備増強の追加投資合算)を上回る。
内訳は明らかになっていないものの、2012年度に設備投資の3割強をLTE向けに配分したことからも明らかなように、LTE投資を競争力の源泉と位置づけ、その流れを更に加速させている。
KDDI(au)もNTTドコモと同様に、LTEネットワークの整備を進めており、いかにLTEサービスを利用できない穴(不感エリア)を潰すかが課題とされる。800MHz帯LTEの実人口カバー率は2014年3月14日に99%を達成したが、今後もLTEエリアを拡大し、エリアのキャパシティを向上させていく方針だ。同時に2.1GHz帯LTEも加速させ、2014年3月31日時点の実人口カバー率85%を、2014年度末には90%超に拡大する計画になっている。
下り最大150Mbps対応基地局数は2014年夏の2,500局から2014年度は20,000局へ拡大する。複数の周波数帯の電波を束ね、1つの通信回線として運用するCA(Carrier Aggregation)は800M/2.1GHz帯を用いる方針で、これまで一部エリアに限定されていた下り最大150Mbpsの全国展開が見込める。また、2014年夏にはLTE-Advancedの導入も控えている。
KDDI(au)における下り最大150Mbps対応基地局数(単位:局) | ||||||||
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※出典:KDDI。 |
【関連調査レポート】 「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2014年版」 をあわせてご参照ください。 |
2014年度 携帯キャリアの基地局投資を占う
- 高水準で推移した2013年度のモバイルネットワーク投資
- 2014年度をLTEエリア仕上げの年と位置付けるNTTドコモ/KDDI
- NTTドコモ:2/3をLTE向けに重点投資
- KDDI(au):LTEネットワーク仕上げのフェーズへ突入
携帯基地局の今