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スマートフォン「画面大型化」の歴史を振り返る

9月19日に発売された「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」。画面サイズはそれぞれ4.7インチ、5.5インチとなっており、「iPhone 5s」の4インチから大型化しているのが特徴として挙げられる。タブレットとスマートフォンの中間に位置する「ファブレット」なるキーワードの出現が端的にあらわすように、スマートフォン端末は「大型化」を繰り返して現在に至っていると言えるだろう。そこで今回は、スマートフォン端末の画面サイズの推移をまとめてみたい。

Androidスマートフォン 画面サイズ推移

上のグラフは、2011年度上期(2011年4月~9月)以降に各携帯電話会社が発売したAndroidスマートフォンについて、画面インチ数別の分布状況を示すとともに、各期間における平均インチ数の推移を示したものである。ここでは、iPhoneなどAndroid以外のOSを搭載したスマートフォン、および7インチ以上の端末については対象外としている。

2011年度上期の段階では、3インチ台と4インチ台の端末がほぼ同数発売される状況だったが、2011年度下期に入り中心サイズが4インチ台にシフトしている。3インチ台の端末は2013年1月にソフトバンクモバイルが発売した「HONEY BEE 201K」を最後に、新機種の発売は行われていない。

一方、2012年度上期以降、5インチ台のスマートフォンが本格的に投入されはじめた。NTTドコモは今から約2年半前の2012年4月に「GALAXY Note」を発売、2012年8月にはさらに「ELUGA power」「Optimus Vu」と、5インチ台のスマートフォンを2機種も発売している。とはいえ、2013年度上期までは4インチ台のスマートフォンが主流を占めていた。

この傾向が崩れたのが2013年度下期で、ついに5インチ以上の端末数が4インチ台の端末数を上回った。2013年度下期には、KDDI(au)から6インチ台のスマートフォン「Xperia Z Ultra」「G Flex」も発売され、タブレットとの境界線があいまいになったのは記憶に新しいところだ。

2014年度上期に至っては、4インチ台のスマートフォンは少数派になっている状況だ。平均インチ数の推移をみても、2011年度上期には平均3.88インチだったものが2014年度上期には平均5.00インチと、平均でも5インチの大台に乗せるに至っている。

以上、駆け足ではあるが、Androidスマートフォンの画面サイズの変遷を取りまとめてきたが、果たしてここまでの急速な大型化がすべての顧客に受け入れられるのかという疑問も湧いてくる。確かに新機種の開発において、画面サイズが大きくなることは見た目のインパクトもあり強いセールスポイントとなるだろう。しかし、4インチ台前半が主流だった2年前にスマートフォンを購入した利用者には、買い替えようと思った時に今までと同じ大きさの端末はほとんど選択肢がないのが現状である。

今後もさらに大型化が進むのか、逆に一部で小型サイズの端末が復活するのか、これから発表される秋冬モデルに注目していきたい。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて9月12日に公開された記事となります。
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