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携帯各社のLTE基地局とエリア展開の関係

以前、LTE基地局と周波数の関係について見たが、今回は携帯各社のLTE基地局とエリア展開の関係について俯瞰していきたい。なお、本レポートで取り上げているデータは、いずれも総務省の電波利用ホームページを参考に、2014年5月24日のデータを独自に分析したものであることを予めご了承いただきたい。

まず、弊社ではエリア別とした際に、その中身を大きく4つに分類している。

  1. 大都市:人口100万人以上の都市
  2. 中核都市:人口30万人以上、もしくは中核市の指定を受けた都市
  3. 地方都市:人口30万人未満の都市
  4. ルーラル:町村エリア

このなかで、下記グラフは大都市における携帯各社のエリア展開の状況について整理したものである。

大都市における携帯各社のLTE展開
(出典:MCA「モバイルキャリア各社のLTE基地局のエリア展開実態
および戦略に関する調査 2013-2014(全編)
」)

グラフからも明らかなように、大都市においてはKDDIがLTE基地局数で他社を圧倒していることがわかる。その背景には、ピコセル導入が影響を及ぼしていることは既報の通りだ。

ただし、基地局数が多いからといって単純にエリア品質でリードしているとはいい切れない。たとえば、NTTドコモはLTE基地局数こそ少ないものの、6セクタ化や1.7GHz帯の20MHz幅など帯域幅で勝負している面もあるからだ。

一方、他のカテゴリーにおけるエリア展開はどうか。中核都市や地方都市ではソフトバンクがWCPの2.5GHz帯に依存する形でリードする一方、ルーラルエリアではKDDIとNTTドコモが拮抗している。中でも、ルーラルエリアにおけるソフトバンクの劣勢は大きく、900MHz帯のLTE化の遅れが影響しているものと推測される。

注目された「iPhone 6」の周波数対応では、KDDIのWiMAX 2+やソフトバンクのWCPにも対応するなど、グループ企業も含めた携帯各社のモバイルインフラネットワークの競争力が改めて注目されている。LTE時代の覇権争いは、今後ますます激化していきそうだ。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて9月19日に公開された記事となります。
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