Androidスマートフォンの画面サイズが年々拡大していることは以前の記事で取りまとめた通りだが、端末そのものの大きさはどのような変遷をたどっているのだろうか。画面サイズ大型化とコンパクトサイズという相反するニーズを実現させるべく、ソフトバンクモバイルの「AQUOS CRYSTAL」のようにフレームレス(フチなし)構造を採用する動きも出てきている。そのため、端末サイズの動向は、画面サイズの状況と異なるものになっている可能性も考えられる。
そこで今回は、スマートフォンの端末サイズとして「横幅」に着目し、その推移をまとめてみたい。
Androidスマートフォン 端末幅 推移 |
上のグラフは、2011年度上期(2011年4月~9月)以降に各携帯電話会社が発売したAndroidスマートフォンについて、端末幅別の分布状況を示すとともに、各期間における平均幅の推移を示したものである。ここでは、iPhoneなどAndroid以外のOSを搭載したスマートフォン、および7インチ以上の端末については対象外としている。
結果をみると、以前の記事で取りまとめた画面サイズ推移と同様、端末幅も年々広くなっていることが分かった。しかも、ここ2年ほどで拡大ペースが加速している。2011年度から2012年度にかけては2年間で0.5cm程度の幅拡大だったが、2013年度下期に一気に0.5cm拡大し平均7cm台に達する流れとなっている。全体として、2011年度上期からの3年間でおよそ1cm程度、端末幅が広くなったといえる。ちなみに、1cmは1円玉の半径に相当する長さである。
個別の発売状況をみると、5cm台のスマートフォンは2012年度まででほぼ新製品が投入されなくなった。その一方、2012年上期には7cm台や8cm以上の大型スマートフォンがお目見えしている。横幅が9cmに達するNTTドコモの「Optimus Vu」が発売されたのも2012年度上期のことである。
今後だが、端末サイズ(および画面サイズ)の拡大競争がさらに加速し平均で8cm近くまで拡大するのか、あるいは揺り戻しが起きて端末幅が縮む世界が出現するのか、2014年冬モデル、2015年春モデルの動向に注目していきたい。
なお、2014年度下期の状況については各社が新製品ラインナップとして発表したもののみを集計しており、今後追加で発表されるとみられる2015年春モデルの状況によっては結果が大きく変わる可能性がある点には留意いただきたい。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて10月3日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |