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SIMロック解除に対する利用者アンケート

2014年10月、総務省、NTTコミュニケーションズのご担当とともに、MCAのアナリストが「SIMロック解除によって激変する携帯市場」というテーマで講演をさせていただいた。ご承知の通り、総務省は10月8日にSIMロック解除を含む「2020年代に向けた情報通信政策の在り方 報告書(案)」を発表した。

講演会では、携帯市場に関する新たな制度設計やMVNO事業者としての取り組みなど、それぞれの立場から説明が行われたが、MCAでは「SIMロック解除に対する利用者の認知状況」を中心に講演をさせていただいた。そこで、今回のスナップショットでは、その講演会で実際に使ったアンケート結果のデータについてご紹介していきたい。

(出典:MCA)

上記の円グラフは、今年10月に弊社で行ったSIMロック解除に関するアンケート結果である。左の円グラフでは、SIMロック解除の認知状況について8179名へ聞いたところ、「よく知っている」と答えた人は12.1%で、「ある程度知っている」が30.7%と4割強の人が何らかの形でSIMロック解除について認知していることがうかがえる。

次に、右の円グラフだが、SIMロック解除について「よく知っている」「ある程度知っている」と答えた人を対象に、実際にSIMロック解除を利用する意向があるかという点について聞いた。その結果、「そう思う」が17.9%、「ややそう思う」が17.3%と両者合わせて35%程度の人が、SIMロック解除を利用する意向があると答えた。

以上のように、SIMロック解除を認知している人に限れば、3割強の人が実際に利用する可能性があることが明らかになった。しかし、その一方で「利用の仕方が分からない」や「安く見せているが、実際には高額請求されることはないのか」などの意見も聞かれ、果たしてどの程度が利用するのか、関係者には一層の周知が求められている。

ところで話は講演会に戻るのだが、プレゼンテーションが終わり、質疑応答となった時、出席者の一人から「今日、色々な方から話を聞いたのですが、結局、SIMロック解除をやって誰が幸せになるのでしょうか?」という質問をいただいた。総務省、携帯キャリア、MVNO事業者、代理店、利用者......? 確かに。皆さんは、どう感じますか?

次回は、さらにアンケートを掘り下げて、SIMロック解除後の携帯市場について俯瞰していきたい。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて10月24日に公開された記事となります。
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