前回取り上げたNTTドコモ以上に、投資抑制が加速しているのがソフトバンクモバイルである。
ソフトバンクモバイルはここ数年、900MHz帯やLTE向け投資に重点を置いてきたが、現在は国内投資のピークが過ぎ、今後は投資が終息していく方向にある。
親会社のソフトバンクの国内投資計画では、2014年度は2012~2013年度を下回る予定になっている。2012~2013年度は高水準な投資が続き、それぞれ6,316億円、7,125億円となったが、2014年度は5,150億円と落ち着きをみせる。2015年度以降も大幅に抑制が続き、2015年度は4,250億円、2016年度が3,750億円となる。
11月4日の決算説明会にて開示された「2015年3月期 第2四半期 決算データシート」をみると、国内投資は移動体通信や固定通信、インターネット事業、その他を合算したものになっており、移動体通信事業以外の投資合計は1,000億円規模で推移している。
ただ、ソフトバンクによる国内投資計画にはソフトバンクモバイル以外に、ソフトバンクテレコムやワイモバイルなどの国内キャリアが含まれる。そのためソフトバンクモバイル単独の投資額は、さらに規模が小さくなる見込みである。
米Sprintへの投資は2013年度に4,643億円に達し、今後も高水準で投資が続くものとみられる。そのため国内投資を抑制することにより、ソフトバンク自体の設備投資額合計を抑える考えとみられる。
また、ソフトバンクの場合、2012年度までは日本基準、2013年度以降が国際会計基準を採用している。それぞれの会計基準により、投資額に含まれるキャリア数が変化する。日本基準にはソフトバンクモバイルやソフトバンクテレコム、ソフトバンクBB向けの投資が含まれ、国際会計基準では3社以外に、ワイモバイルとWireless City Planning向けの投資が含まれている。
本記事の詳細は「通信建設業者便覧 2014」をあわせてご参照ください。 |