2014年度上期決算から、キャリア各社の設備投資状況に着目した本特集。最終回となる今回はKDDI(au)を取り上げるとともに、通建業者の課題についても触れていきたい。
今後は投資抑制が見込まれるKDDI
KDDI(au)も2014年度はNTTドコモと同様に、LTEサービスの高速化に注力している。特にCA(Carrier Aggregation)によるLTEサービスの下り最大150Mbps化に力を入れ、2014年3月時点の対応基地局数700局を2015年3月には20,000局に拡大する計画である。高速化の強化に伴い、移動通信事業向け設備投資は近年で最も多い3,800億円が計画されている。
しかし、関係各社を回って話を伺ってみると、いよいよKDDIも今後は投資を抑制してくるとの声が多い。NTTドコモにしても、KDDI(au)にしても2014年度にLTEサービスの高速化がほぼ完了し、今後は軒並み、投資の抑制が進んでいく。
表:KDDI(au) 下り最大150Mbps対応基地局数(単位:局) | ||||||||
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(出典:KDDI IR資料をもとにMCA調べ) |
増加する小型基地局工事での利益確保が課題の通建業者
キャリア各社の投資抑制は、キャリア投資を頂点とする基地局や通信建設市場に大きな影響を及ぼす。小型基地局の隆盛は、通建業者にとって、工事量は増加するものの工事単価下落が見込まれる小型基地局工事での利益確保が課題となる。
そのため施工効率化などの生産性向上を目的とした技術センタの集約化などに取り組んでいる大手通建業者もある。それ以外にも、社内リソースの有効活用化による他分野事業への注力、ICTやシステムエンジニアリングなどを組み合わせたソリューションビジネスの拡大などを進めている。
本記事の詳細は「通信建設業者便覧 2014」をあわせてご参照ください。 |
特集:予想以上に進むキャリアの投資抑制、通建業者も策が必要
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