1月29日、NTTドコモは2014年度第3四半期(9月~12月)の業績を発表した。都内で行われた説明会では、加藤薫社長より業績発表とあわせ「ドコモ光」の発表が行われたため、会場ではドコモ光に関する質問も相次いだ。加藤社長と記者との主なやりとりは以下の通り。
ドコモ光に関する主なやりとり
1つは携帯電話のパケットパックと「ドコモ光」をご利用いただければ割引が適用される、(固定電話やテレビなどの)条件がない点。もう1つは、割引額が期間限定ではなく『ずっと』続く点。
今年度は、ドコモ光の受付体制を整えるための準備やシステム構築など、先行投資があるため減益要因となる。来年度は減益にならないよう努力する。
ドコモ光についてキャッシュバック合戦をする気はない。当面は顧客基盤をより強固にする方向性が強いのではないか。
ただし、セット割では、パケットパックのデータ量が多いプランほど割引額も多くなっている。いままで家族内でNTTドコモと他社を併用している方で、ドコモ光を契機に弊社に乗り換えていただくことにも期待している。
他社との比較については差し控えたい。ただし、FTTHの競争相手はKDDIだけではなく、特に西日本では競争が激しいと認識している。
実は、社内での検討の中で私も何度かそう思った。
ただしもしそうであれば、現在既に光回線を利用されている方も多いので、我々が提供する前からそういうことが起こっているのではないか。転用のお客様については、影響は大きくないのではないか。
自宅に光回線を導入したことで、リッチコンテンツをたくさん使ってもらい、それを外でも見たい、そういう内と外のシームレスな世界を目指していきたい。
フレッツ光は既に一定程度普及しており、当初は転用が多いのではないか。
ただし、光回線だけなら導入しないが、携帯電話とセットで割引になるなら導入してみようかな、という人もいるとみている。
また、NTT東西のサービス卸の開始で、ISP、MVNOをはじめ、警備会社や保険会社など、様々な業種が参入することが予想される。全体的にFTTHの市場が活性化することによる相乗効果にも期待している。
転用と新規でどちらかにウェイトを置くことは考えていない。幸い、店舗における接客対応については外部機関の評価で1位をいただくなど自負しており、ドコモ光も店頭で積極的に紹介していく。
我々のスタンスは、来店したすべての人にお声がけするのが基本。来店いただくお客さまがフレッツ光を導入しているかどうかは分からないので、お客さまの状況に応じて転用・新規のどちらかを勧めていきたい。
我々は安さだけでは訴求しない。ホームセキュリティ、家電連携など、スマートなホームサービスを多様なパートナーとのコラボレーションで進めていくなかでドコモ光の浸透をはかりたい。
ISPとの提携を進めるなかで、ISP側にもさまざまな戦略があるため2つのタイプを設定させていただいた。基本的に、200円の差はプロバイダー側の事情と捉えていただいて問題ない。
お客さまにとって、ISPの乗り換えは敷居が高いと思っている。現在何らかのISPを利用されている場合は(そのISPがドコモ光で提供可能なら)同じISPに誘導していくのが基本方針。「ドコモnet」は新規に入る方の受け皿。
2月16日より事前受付をするのである程度リカバリーできると思う。
サービス開始前のため達成時期の見通しは難しいが、早期に100万回線の達成を考えている。なお、NTTドコモは総務省のガイドラインを遵守することは付け加えたい。
「ドコモ光」以外の主なやりとり
1つは「iPhone」を含めた冬春モデルが好調な点。もう1点は新料金プランが評価いただいている点。新料金プランへの移行は、単月の勢いとしては(ピークの)2014年6月の半分ぐらいではあるが、引き続きコンスタントに加入者を増やしている。
なお、春の商戦期になるとMNPも活性化するが、ドコモとしては「不健全なキャッシュバック」はしない方針を堅持する。
進捗率は9割を超えており、通期で見ると上ぶれる可能性はある。ただし1~3月期も新料金プランの影響はあり、また春の商戦期は例年競争が激化する傾向になる。まずは計画達成を目指していく。
端末、新料金プラン、そして固定とのセット販売と、反転攻勢のための武器として揃えられるものは全て揃えたと思っている。足りないものがあるとの言い訳はしない。社内に対してもそのように伝え、現場を鼓舞している。
「音声ARPUが前2Q比プラス」と説明する加藤社長 |
当初はもの凄く得する層が一気に乗り換えたため大きな影響が出たが、現在はそうではない層にも普及している。ポテンシャル層(新料金プラン移行後に利用が増えるお客さま)の比率が約半数にまで拡大していることもある。
新料金プランの開始当初は、どの程度データ通信するか分からずに「とりあえず」最低プラン(Sプラン)に入るという人が大変多かった。しかし現在はシェアパックや個人でも上位プラン(M、L)への加入が増えている(10月以降はMパック以上の選択率が50%超となっている)。
シェアパックへの加入は、当初加入者全員の許諾をとるなど厳密な手続きを行っていたが、処理の簡易化を進め、加入の後押しをした。
底打ちについては、当初想定より弱含みではあるが、当初予想通りの反転と捉えている。
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