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担当者に聞く、法人向けウェブサイト展開の今:NTTドコモ編

キャリア各社の法人向けウェブサイト担当者にご登場いただき、ウェブ展開の現状を取り上げていく特集企画。

前回のソフトバンク編に続く3回目となる今回は、NTTドコモ 法人事業部 法人ビジネス戦略部 営業企画・プロモーション担当課長 阿部光昭氏、同部 営業企画・プロモーション担当主査 荒瀬恵子氏にお話を伺った。

NTTドコモ 阿部氏
――はじめに、法人向けウェブサイトの概要を教えて下さい。
阿部氏
NTTドコモの法人向けウェブサイトは「ドコモビジネスオンライン」となります。NTTドコモのhttps://www.nttdocomo.co.jp/とは別のドメインのhttp://www.docomo.biz/で運営しています。

NTTドコモが全国一社化する前は各地域会社がそれぞれ法人向けに情報発信を行っていましたが、それらを集約して現在に至っています。

個別のドメインを持ち、ウェブサイトも個人向けとは別立てになっていますので、法人というカテゴリーでフレキシブルに対応が可能です。掲載している内容も、災害時の対応といった一部の全社的な情報を除いて、基本的にはプロモーション担当が企画しています。

――法人向けウェブサイトとして、特に意識されていることはありますか。
荒瀬氏
ドコモビジネスオンラインは、お客さまにまずはサービスを知っていただくことを第一に考えています。そのため情報の鮮度には気を配っています。例えば、導入事例は一定期間を過ぎた段階で、掲載を終了させています。掲載から時間が経ってしまうと、結果的に過去の商品・サービスの紹介となってしまい、これから導入しようと検討されているお客さまの参考にはなりにくいと考えています。

また、弊社の営業担当者が営業を行う際、タブレットでウェブサイトを見せながら説明できるようにすることも意識しています。

――ウェブサイトにお客さま向けとは別の役割も持たせている、ということですね。
阿部氏
はい、そうです。営業担当者が活用できるツールの整備を進めており、現在はウェブサイトとあわせてアプリでも提供しています。

アプリでは営業に必要なカタログや導入事例集を備えた専用アプリ「ビジどこ」を提供しています。ドコモビジネスオンラインへのリンクを貼ることで、アプリとウェブサイトをシームレスに行き来できるようにしています。営業担当に特化した内容のものと、お客さまにも広く公開しているものの2つを用意しています。

「ビジどこ」は、App Store、Google playで配信していますので、お客さまにも無料で楽しんでいただけます。

――ウェブサイトのほかにアプリも揃えるとなると、必要となるコンテンツの量も増えるかと思います。制作にあたり何か工夫されているのでしょうか。
阿部氏
内製をキーワードとして、できるものはできるだけ自らの手で制作する方針です。例えば、動画ひとつとっても、お客さまに取材をする場合は外部に依頼していますが、サービスの説明、商品開発者インタビューなど社内の人間が登場するものは自社で動画撮影を行っています。

狙いは大きく2つあり、1つは外注コストの削減です。費用はもとより、外部へ依頼する場合に発生する種々のやりとりをカットすることも意識しています。

もう1つはプロモーション方法を自ら考える機会を設けることです。外部委託の場合、我々は提案いただいたアイデアを選ぶだけの受け身の姿勢になりがちです。自分たちで動画を撮るようになると、商品やサービスの効果的な見せ方、伝え方を考えなければなりません。現在では、商品開発者も交えて、台本作りから手掛けています。なお、内製化を本格的に進めるため、社内に専用のスタジオも設置しました。

――日々の更新作業も担当されているのですか。
阿部氏
業務の主軸はあくまで企画ですので、実作業については協力会社に依頼しています。

ただし、動画制作と同じく、内製できるところは我々で作業した方がよいと考えており、細かな更新作業は自社で行っています。

具体的には、Facebookやメールマガジンのコンテンツ作成は自ら行っています。Facebookは法人事業部で専用アカウント「ビジどこ」を取得しており、主に更新情報を配信しています。

――メールマガジンの購読者はどのような方ですか。
荒瀬氏
無料登録できる「ドコモビジネスオンライン会員」に向けて配信しています。毎月定期的に配信するほか、新商品・サービスの開始時にも都度配信を行っています。
――ドコモビジネスオンラインでは、購入申込受付も行っていますか。
荒瀬氏
「Evernote Business」など一部サービスのオンライン受付へ遷移させる導線を確保したり、端末購入手続きについては、通販サイト「ドコモオンラインショップ」にて受け付けるため、遷移させる導線を確保したりしています。

ドコモオンラインショップの商材をドコモビジネスオンラインでどのように掲載するかは、オンラインショップの関連担当と相談しながら決定しています。

――最後に、今後注力したいと思われていることを教えて下さい。
阿部氏
今後もウェブサイトを中心に、動画、アプリ、Facebookも活用しながら、お客さまに弊社の商品・サービスをより分かりやすく知って頂けるよう、情報発信を行っていきたいと考えています。
――本日はありがとうございました。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて2014年12月26日に公開された記事となります。
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