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アンケート調査から格安SIMおよび音声通話の実態を整理

MCAでは昨年、ネットユーザー約1万名に対して格安SIMに関するアンケート調査を実施した。今回はその結果から、格安SIMの浸透状況を探ってみたい。あわせて、携帯電話各社が音声通話定額プランを投入したことで脚光を浴びた「音声通話」の実態も取り上げたい。

(出典:MCA「SIMロック解除・MVNOの消費者ニーズ・利用実態調査」)

格安SIMの認知状況については、「よく知っている」と答えた人は13.0%、「ある程度知っている」が31.6%で、あわせて44.6%の方が格安SIMについて認知しているという結果になった。女性よりも男性の方が認知者が多い傾向にあり、「よく知っている」と「ある程度知っている」をあわせた割合は、男性が59.1%、女性が27.5%だった。

続いて、音声通話の実態を整理してみたい。

最近では音声機能が付いた格安SIMも増えているが、携帯電話会社のように家族間や同一携帯電話会社利用者間など一定の条件で通話が無料になるようなプランはなく、格安SIMの弱点と指摘する声が見受けられる。その一方、チャットやメールなどによるコミュニケーションが増えたことで音声通話が従来ほど重要視されなくなったとも言われている。実際の状況はどうなっているのだろうか。

(出典:MCA「SIMロック解除・MVNOの消費者ニーズ・利用実態調査」)

携帯電話利用者を対象に、直近1カ月間の音声通話の発信時間をたずねた結果が上のグラフである。ここでの音声通話とは、070/080/090番号を用いた発信のみで、IP電話、アプリによる通話、他の人からかかってきた電話は含まれていない。

その結果「0分(電話はかけなかった)」が10.3%で、1カ月の間に何らかの形で音声通話の発信を行った人が9割弱を占める結果となった。一方、月間の音声通話(発信)時間が10分以内におさまっている人は電話をかけなかった人を含め半数近くとなった。まったく音声通話(発信)をしない人はまだ少数派だが、短時間しか電話をかけない人はかなりのボリュームであると言えるだろう。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて1月9日に公開された記事となります。
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