カカクコムやコネコネットなど、通販サイトの販売価格を比較できるサイトは数多くあるが、その逆のパターンといえる、買取事業者の「中古品買取価格」が比べられるサイトが登場した。
買取価格の比較サイト「ヒカカク!」誕生の経緯や今後の狙いなどについて、同サイトの運営を手掛ける株式会社ジラフの代表取締役CEO 麻生輝明氏にお話を伺った。
買取価格が比較できる商品はスマートフォンやパソコンなどの電子機器がメインですが、徐々にカテゴリを増やしている段階です。現在はカメラ、腕時計、古本、CD・DVD、ロードバイクなど、およそ7万品目を取り扱っています。
いろんな店舗で査定してもらえば高値で買ってもらえるところに巡り会えたかもしれませんが、そこまでの手間をかけるのは面倒だし不確定要素も多いことからあきらめて、結局売らないまま自宅で眠らせてしまった経験があります。
リアル店舗をいくつも回るのは大変だけど、ネットでそういったサイトがないかなぁと探してはみたものの見当たらず、じゃぁ作ってみようか、と思い立って今に至っています。
休学期間は2年間に限られているので、この期間にある程度軌道に乗せたいと思っています(笑)
変動があることは事実ですが、とはいえ客寄せのために実際にはありえないような高額価格が提示されることは避けなければなりません。
そこで強化しているのが利用者からのクチコミです。5段階評価による定量情報と、コメントによる定性情報がセットになっており、既に3000件近くの評価が寄せられています。
サイト上の価格と実際の買取額に乖離があれば評価が悪化してしまうため、自浄作用が働くと考えています。
特にスマートフォンなどは買取業者の間で「液晶が割れている」「塗装がはげている」など査定基準がある程度共通化しています。査定基準をいくつか決め、状態に応じて買取業者に価格提示をしてもらう「一物多価」の仕組みを目指します。
このスキームができると、買取業者に取ってもメリットが生まれます。新古品のような美品を買い取りたい業者もいれば、反対にジャンク品を希望するところもあると思います。査定基準による細分化がはじまれば、欲しい状態のものに絞って価格提示でき、ピンポイントの買取ができるようになります。
収益も重要ですが、今は「買取価格比較といえばヒカカク!」といった圧倒的なポジショニングを確保することを目指しています。先行者として、とにかくサイトの規模を大きくすることが最優先です。
ビジネスモデルですが、サイトがある程度成長した段階で、ヒカカク!を経由して買取を行った場合に紹介手数料をいただくことを検討しています。もちろんこれ以外にも、既にいろいろと構想を練っていますが、それは非公開とさせてください。
その要因のひとつに「いくらで売れるか分からない」点があると考えています。特にスマートフォンの場合は、割賦購入で割引による相殺もあり「いくらで購入したものなのか」すら分かりにくい仕組みです。
ヒカカク!を通じて、自分が所有しているものの買取価格を調べてもらえば、それぞれの持ち物にどれほどの価値があるのかが一目瞭然です。価値を認識してもらい、処分から買取へと行動をシフトさせる人が増えていくことを期待しています。
また、ヒカカク!とは別サイトになりますが、スマートフォンの修理費用が比較できる「最安修理ドットコム」も7月27日に立ち上げました。現在は全国約1000店舗の修理価格をデータベース化しており、地域・修理形式・修理個所・修理する機種などから店舗を探して価格を見比べることができます。こちらも充実させていきたいと思います。
- ヒカカク!
http://hikakaku.com/ - 最安修理ドットコム
http://saiyasu-syuuri.com/