2012年度に2兆9287億円まで拡大したテレコム産業の設備投資は、2014年度には2兆6278億円まで減少し、今年度はさらに1668億円ダウンの2兆4610億円が見込まれている。
背景には、固定通信市場が年々縮小し、メインストリームとなったモバイル分野ではLTE向け大型投資が一巡するなか、定額制などARPU伸び悩みが顕著となり、各社が投資効率化へ大きく舵を切っていることがある。今回は、通信キャリアの設備投資に焦点をあて、その動向について数回に渡り取り上げていきたい。
本記事の詳細は「主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場2015年度版」をあわせてご参照ください。 |
国内のテレコム産業の設備投資は、大きくNTTグループ、KDDIグループ、ソフトバンクグループ、電力系やCATVなどのその他グループの4つに分類することができる。2014年を例にとれば、総額2兆6278億円のうち、50%強がNTTグループ、20%強がKDDIグループ、ソフトバンクグループが20%弱、そして5%程度がその他という割合である。
また、設備投資を固定と移動体に分類すると、モバイル系が半分強を占めるものの、2014年度は55.9%とピークの2012年度からは減少傾向が顕著となってきている。
それでも、モバイル向け設備投資の行方がテレコム産業全体の動向に大きな影響を与えるという構図に変化はない。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて10月2日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
特集:主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場2015
- テレコム産業の設備投資は減少傾向、2015年度は2兆4610億円へ
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