主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場2015 (2):

<局用交換機>投資はインフラ維持・保守に限定、PSTNからIP網への移行の影響は

前回、通信キャリアグループ別の設備投資額推移を取りまとめたが、今回からは主要な通信機器別の動向を探っていく。今回は局用交換機市場の動きを取り上げたい。

本記事の詳細は「主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場2015年度版」をあわせてご参照ください。


2007年度に722億円の規模であった局用交換機市場は年々落ち込み、2014年度には340億円となった。今後、さらに縮小し、2018年度は215億円が見込まれている。

図:ネットワーク機器への投資額推移と予測(2007~2018 年度、単位:億円、局用交換機)

背景には、NTT東/西日本による局用交換機などのレガシー系インフラへの投資がサービスの維持・保守に限られている点がある。現状、NTT東/西日本は固定電話ユーザの減少により、空いた交換機を予備機として保管し、それを故障機と取り替えるなどの対応を行っている。そのため、新規需要が見込めない状況にある。

NTTは局用交換機が寿命を迎える前にコアネットワークをPSTNからIPネットワークに移行させる計画であるが、その実現に向けては解決すべき課題も残る。その中の1つが固定電話サービスのユニバーサルサービスとしての位置付けである。NTT東/西日本の固定電話サービスは郵便などとともに、全国一律のサービスが義務付けられ、キャリアの都合でサービスを終了することができない。

総務省の有識者会議は2014年末に、固定電話サービスの維持に特化した現行のユニバーサルサービス制度は見直しの検討を行うことが適当との方針を示した。しかし、総務省自体は当面、固定電話サービスは維持すべきとの立場にある。

そうした中、NTTは2015年秋に、議論のたたき台となる「ユニバーサルサービスのあり方」「PSTNマイグレーションの見直し」を発表する予定になっている。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて10月9日に公開された記事となります。
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特集:主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場2015
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