テレコム産業の設備投資状況をシリーズで取り上げている本シリーズ、4回目となる今回はブロードバンド関連機器市場にフォーカスを当ててみたい。
本記事の詳細は「主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場2015年度版」をあわせてご参照ください。 |
2008年度に663億円の規模であったブロードバンド関連機器市場は2011年度まで600億円規模で推移していた。しかし、2012年度以降は縮小し、2014年度は490億円となり、2018年度には398億円が見込まれている。なお、ブロードバンド関連機器はPON(Passive Optical Network)/MC(Media Converter)、DSLAM/NGWを対象にした。
背景には、ブロードバンド関連機器において、国内需要の多くを占めるNTT東/西日本が、すでにFTTHネットワークの構築を済ませている点にある。そのため、今後は大幅に需要が拡大する可能性は少ない。
NTT東日本にとっても、事前にネットワーク機器の増強を実施するか、ユーザ要望によって対応するかどうかを決めかねており、NTT東日本自身における土管屋としての姿勢がみえにくい状況にある。
なお、NTT東/西日本が2016年6月に、「フレッツ光ネクスト」を利用可能な地域において、ブロードバンドサービス「フレッツ・ADSL」の新規申込受付を終了すると発表した。すでにKDDIもADSLサービスの新規申込受付を終了している。ソフトバンクはADSLサービスの新規申込受付終了を発表していないが、現在のところ、申込はほとんどゼロの状態とされる。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて10月23日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
特集:主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場2015
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