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集約化が加速する携帯代理店業界

先日、兼松テレコム・インベストメントが三菱電機系のダイヤモンドテレコムを買収するとのニュースが流れました。携帯電話市場の減速感が顕著となる中、ショップ事業を展開する代理店事業は曲がり角を迎えています。

今回は、そんな携帯電話の代理店業界を俯瞰しながら、ニュースについて考えていきたいと思います。

携帯電話販売代理店の業界構図(出典:MCA)

今回のニュースは、三菱電機の100%子会社であるダイヤモンドテレコムを兼松の100%子会社である兼松テレコム・インベストメント(兼松テレコム)に約174億円で売却。これにより、兼松テレコムは存続会社、ダイヤモンドテレコムは消滅会社となり、兼松テレコムは4月1日付けで社名をダイヤモンドテレコムに変更するというものでした。

実は、ショップや量販店など携帯電話を現場で売っているのは図にあるような代理店と呼ばれる会社です。携帯キャリアが、直接顧客に販売しているのは、法人向けなど一部に限定されます。

代理店は、キャリアとの関係や歴史的経緯から、大きく「商社系」「メーカー系」「地域・専業系」「量販・その他系」に分類することができます。

市場が成長期だった頃には、代理店が競って出店先を探すという規模の経済を追求してきましたが、成熟期へと移行するにつれ、図にあるような代理店間の買収や資本参加による集約化の流れが加速しているのです。

中でも、大きな流れの一つが商社系代理店によるメーカー系買収の動きです。もともと、端末供給の観点から代理店事業を営んでいたメーカー系代理店は、親会社の端末事業の撤退に伴い、売却されるケースがほとんどで、今では「商社系代理店」がキャリアショップの一大勢力を形成しています。つまり、今回のニュースは、そうした流れに沿った動きと捉えることができると思います。

一方、販売力という観点では、「量販店・その他系」の存在も見逃せません。現在、キャリア端末の販売の半分近くが量販店チャネルで売られているほか、法人やキャリアショップチャネルでも大きな役割を果たしています。

今後は、この「商社系」「量販・その他系」を中心に更なる生き残り競争が激化していくことになるのではないでしょうか。

[02/23 12:50] 訂正とお詫び
初出時、冒頭にて「兼松エレクトロニクスが三菱電機系のダイヤモンドテレコムを買収」と記載していましたが、正しくは「兼松テレコム・インベストメントが~」です。お詫びして訂正いたします。現在は修正内容を反映済です。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて1月22日に公開された記事となります。
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