先日、モバイル関連機器の世界的な展示会である「Mobile World Congress 2016」がスペインで開催されたが、それに先立ち、ノキアソリューションズ&ネットワークスとエリクソン・ジャパンが、それぞれ国内で事前説明会を行った。
現在、国内の携帯電話基地局向け無線機市場においてノキアソリューションズ&ネットワークスは、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3社に供給し、シェア最大手のポジションにある。また、エリクソン・ジャパンはソフトバンクを筆頭に、KDDI(au)とも取引を行うほか、NTTドコモとはネットワーク仮想化技術の共同開発や5G向けパートナーの1社として名を連ねている。
今回、グローバルベンダとして無線機市場をリードする両社の動向について、事前説明会の模様を伝えつつ取り上げたい。1回目となる今回はノキアソリューションズ&ネットワークスを取り上げる。
無線機ブランドは「AirScale」へ変更の方向
ノキアソリューションズ&ネットワークスによる事前ガイダンスでは、冒頭で「ノキアの変革の歴史」の説明が行われた。2007年のシーメンスとのジョイントベンチャー設立(ノキア シーメンス ネットワークスの誕生)、2011年のモトローラの無線ネットワーク事業買収、2015年のパナソニックの無線ネットワーク事業買収、2016年のアルカテル・ルーセント買収を経て、強固な財務基盤を築き、LTE市場及び固定ブロードバンド市場でシェア第1位を獲得するに至ったという。
MWCでの展示テーマには、(1)Inspired by innovation、(2)Networks in the cloud era、(3)IoT brought to life、(4)Leading in 5Gを提示した。それぞれのテーマの主な展示は、以下のとおり。
(1)Inspired by innovation
・ベル研究所-5Gとその先へのイノベーション
・ノキアOZO(バーチャルリアリティカメラ)
・R&Dイノベーション
(2)Networks in the cloud era
・クラウドと5Gに進化する次世代無線装置
・NFV/SDNに向けたIP & Opticalソリューション
・オープンクラウドネットワーク
・予測分析及び自動化
(3)IoT brought to life
・IoTユースケース、プラットフォーム
・IoT無線技術
・アナリティクス、自動化、セキュリティ
・パブリックセーフティ、ヘルスケア
(4)Leading in 5G
・5Gに対応無線及びコアソリューション
・ベル研究所-無限の接続性と革新的容量
・自動運転
OZO(オゾ)に関して、海外では投入予定とされているが、現在のところ国内投入は未定とのこと。また、これまで一連の無線機シリーズは「Flexi」というブランドだったが、今後は「AirScale」に移行する方向であることも明らかにされた。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて3月4日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |