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グローバルベンダの将来動向(2):エリクソン・ジャパン

「Mobile World Congress 2016」の開催に先立ち国内で行われた事前説明会の模様を伝える今回の企画。2回目はエリクソン・ジャパンについて取り上げる。

「Gigabit LTE」で下り1Gbps以上の高速通信が可能に

エリクソン・ジャパンの事前説明では、「Let's turn great ideas into global realities」をテーマに、ネットワーク化社会における新製品やプロジェクト、パートナーシップを展示することを明らかにした。特に5GやIoT(Internet of Things)、クラウドなどの分野におけるEricssonのリーダーシップとイノベーションを強調した。

MWCでの展示テーマには、(1)Networked Society(ネットワーク化社会)の構築、(2)Networks(ネットワーク)、(3)メディア-インターネット時代のTVへ、(4)Industries(産業界)を提示した。

「(1)Networked Society(ネットワーク化社会)の構築」では5Gのほか、ヘリコプターの遠隔操作や自動運転、水道メータなどIoTに関連したものが発表された。「(2)Networks(ネットワーク)」は現在もEricssonの注力している分野だが、基地局周りのソリューションからvEPC/vIMSなどのNFV関連まで幅広い内容が説明された。「(3)メディア-インターネット時代のTVへ」はタイムシフト放送など、「(4)Industries(産業界)」はモバイルを利用したフィンテック等が紹介された。

同社の説明における注目点は「Gigabit LTE」と「Elastic Radio Access Network(RAN)」だろう。Gigabit LTEは3CC CAや4×4 MIMO、256QAMを利用することにより、現在でも理論上、下り1Gbps以上の高速通信が可能とのこと。キャリアの採用如何ではあるが、現実のものとなる可能性があるだろう。また、Elastic RANはC-RANの協調範囲を拡大したものとされ、動的に協調するベースバンドの組み合わせが変更できるそうだ。

出典:エリクソン・ジャパン
説明からにじむ「事業領域のモバイル以外への拡大」
前回のノキアソリューションズ&ネットワークスも含め、今回開催された両社の事前説明会から、モバイル分野以外への事業拡大が大きなイッシューになっているということを強く感じた。実際、すでにNokiaはAlcatel-Lucentの吸収により、固定ネットワークへの領域拡大を急いでいる。それに対してEricssonはOSS/BSSやビックデータ解析など上位レイヤーの強化を図ろうとしている。世界的なスマートフォンの成熟化が進む中、それを支える通信ネットワーク市場を巡る覇権争いはますます激化していくこととなりそうだ。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて3月11日に公開された記事となります。
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