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携帯基地局向け部材市場、2015年度は225億円、18年度に260億円まで回復と予測

MCAは携帯基地局向け部材市場の動向調査を実施した。その結果、アンテナ、ケーブル、電源、蓄電池の4つの市場を合算した「携帯基地局向け部材市場」は、2015年度は225億円で、2018年度には260億円まで回復すると予測した。調査結果をもとに、基地局向け部材市場の動向について取りまとめてみたい。

基地局向けアンテナ、ケーブル、電源、蓄電池市場規模推移と予測(2014~2019年度、単位:億円)

基地局向けアンテナやケーブル、電源、蓄電池といった附帯設備、いわゆる部材も無線機と同様に、需要や調達規模はキャリア各社の基地局計画に大きく左右される。2015年度の動きとしては、大手3社ともに投資抑制が進み、基地局計画自体が大幅に落ち込んだ結果、部材市場に大きな影響を与えた。

調達に関する大手3社の特徴にも変化の兆しがある。プロジェクト単位で動くソフトバンクに対し、NTTドコモとKDDI(au)は年度単位の計画を策定していたが、KDDI(au)もプロジェクト単位での動きに変わりつつある。

ベンダシェアに関しては、シェア変動の少ないNTTドコモとKDDI(au)、シェア変動が大きいソフトバンクという傾向がある。これも複数社からの安定的かつ確実な供給を望むNTTドコモとKDDI(au)に対し、価格と納期を重視し、プロジェクト単位での単独受注もあるソフトバンクとの違いといえる。

次に部材ベンダの動向をまとめてみたい。

3.5GHz帯などの新規周波数帯に期待がかかるアンテナ
アンテナ市場は基本的にマクロセルの需要を重視しているが、現在の主流はスモールセルにシフトしている。すでに700MHz帯も利用可能なアンテナを供給しているため、今後は3.5GHz帯などの新規周波数帯に期待がかかる。基地局向けアンテナベンダ大手は電気興業や日本電業工作、日立金属となっている。
アンテナ需要と工事件数に影響を受けるケーブル
ケーブル市場はアンテナ需要の拡大により、ケーブル需要も拡大するが、実際には工事件数とも一蓮托生の関係にある。今後はスモールセル時代の到来により、従来よりもケーブル長が縮小し、発注件数が増加しても、発注量が小規模化し、市場規模は横ばい、縮小の見込みになるが、ケーブルベンダは8×8 MIMOなどの導入に期待する。基地局向けケーブルベンダ大手は三菱電線工業やコムスコープ・ジャパン、日立金属となっている。
今後の需要性に乏しい電源
電源市場は本来、リプレース需要がほとんどなく、基地局新設がなければ、需要は発生しない。燃料電池に関しては、NTTドコモの中ゾーン基地局に設置され、今後も需要拡大の可能性がある。基地局向け電源ベンダ大手は新電元工業やオリジン電気、サンケン電気となっている。
常にニーズが存在する蓄電池
蓄電池市場はバッテリ24時間化が完了したことにより、需要が一巡し、現在はリプレース需要にシフトしている。蓄電池市場は基地局新設、併設工事の影響を受けず、常にニーズが存在するが、当面はリチウムイオンよりも鉛蓄電池が主流の見込みである。基地局向け蓄電池ベンダ大手はGSユアサや日立化成(旧新神戸電機)、エナーシス ジャパンとなっている。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて4月1日に公開された記事となります。
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