先月出揃った通信キャリア3社の決算から、今回は携帯端末の販売台数と1契約あたり収入(ARPU/ARPA)の動きを整理してみたい。
携帯端末 販売台数
(出典:各社IR資料をもとにMCA作成)
2016年度第3四半期(2016年10~12月期)における各社の携帯端末販売台数は、NTTドコモが669.0万台、ソフトバンクが293.9万台、KDDIが246.0万台で、3社合計では1208.9万台となった。前年同期(1209.9万台)並みを維持したかたちとなる。
販売台数自体は堅調だが、端末売上収入からは別の面も見えてくる。前年同期と比較すると、NTTドコモの「端末機器販売」売上は約350億円、KDDIの「端末販売収入、修理収入等(パーソナルセグメント)」売上は約7億円、それぞれ減収を記録した。一方、ソフトバンクの「物販等売上」は約7億円の増収だった。
1契約あたり収入(ARPU/ARPA)
(出典:各社IR資料をもとにMCA作成)
最後に、1契約回線あたり収入を示すARPU、1契約者あたり収入を示すARPAの状況をみてみたい。KDDIが前期比50円増の6390円、NTTドコモが同30円増の4450円、ソフトバンクは同40円減の4530円となった。ソフトバンクのARPU減少は、ワイモバイルの好調さの副作用とも言えるだろう。
なお、KDDIとソフトバンクの数値にはコンテンツ収入が、NTTドコモの数値には光回線収入が含まれている。携帯回線収入単体の動きを算出したところ、KDDIとソフトバンクのトレンドに変化はなかったが、NTTドコモは前期比横ばいとなった。携帯回線収入は伸び悩む一方、「ドコモ光ARPU」が好調で、全体のARPU増を支える格好だ。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて3月3日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
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