3月14日、中古のスマートフォンや携帯電話の販売・買い取り等を手掛ける8事業者が発起人となり、業界団体「リユースモバイル・ジャパン」(RMJ)が立ち上げられた。
設立発表会の模様は「ケータイWatch」の記事などを参照いただきたいが、ここでは市場の現状をあらためて整理してみたい。
中古端末市場予測・消費者による購入(単位:万台)
※15年度以降は予測値。出典:MCA「携帯・スマートフォンの中古端末市場動向2015」
上記は、弊社が2015年春に取りまとめた中古端末の市場規模および予測である。2014年度までは実績値で、2015年度以降は予測値となるが、予測の際は市場の堅調な拡大を描いていた。
当時のシナリオはこうだ。まず、使用済み携帯の売買に関する認知が向上し消費者が端末の売却を加速、中古端末市場に潤沢な在庫が生まれていく。当然SIMフリー端末との競合はありつつも、安定的な在庫確保を背景に中古端末販売店が増加、MVNOによる「中古端末+SIM」のパッケージなど多様な販売方法も生まれ活性化していくのではないかとの読みだ。
しかしながら、設立発表会で語られたように、現状は事業者の想定よりも市場の伸びは緩やかにとどまっている。市場実勢からかけ離れた大手キャリアの高額な下取価格によって、中古市場へ端末が流れにくくなっている状況下では市場の急拡大は望みにくい。RMJは今後大手キャリアや関係省庁との意見交換を行い、環境整備を急ぐ方針だ。今後も市場動向を定点観測していきたい。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて3月17日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
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