1週間のモバイル関連ニュースを振り返る「週刊モバイルビジネス通信」。今週の主役はアップルだろう。
「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」のスペシャルモデル「(PRODUCT)RED」、容量を倍増した「iPhone SE」、新型の9.7型「iPad」が発表され、通信キャリア各社が25日から揃ってiPhone 7スペシャルモデルの予約受付を開始した。
キャリアにとって悩ましいのが「iPhone SE」の取り扱いだ。サブブランドのワイモバイルとUQ mobileは「iPhone 5s」を販売してきたが、今回iPhone SEをラインナップに加えてきた。ワイモバイルは32GBと128GBの両タイプとも販売するが、UQ mobileは32GBのみを対象とし、2社で対応が分かれた。
ソフトバンクのiPhone/iPadで使える日本通信「b-mobile S 開幕SIM」。通信容量は1・3・7・30GBの4種類、月額880円～。
今までは「iPhoneの最新機種ならキャリア本体、サブブランドは旧機種のみ」で一応の棲み分けができていたが、新たなiPhone SEの登場でその構図が一部とは言え崩れたことになる。32GBのみを対象としたUQ mobileの施策には、au本体と何とか線引きをしようともがいた跡がうかがえる。
その一方、今週はソフトバンクのiPhoneでも使える格安SIMが登場した。ソフトバンクと接続を開始した日本通信が「b-mobile S 開幕SIM」を22日より発売。同日には、日本通信のシステムを借りてU-NEXTも「U-mobile S」の提供を開始した。ソフトバンクのiPhone5以降端末、セルラーモデルのiPadであれば、SIMを差し替えるだけでMVNOが利用可能になった。とはいえ、2社ともデータ通信専用SIMに限られ音声通話やSMSに非対応。iPhoneのメイン利用者にとっての選択肢となり得るだろうか。
【今週号の目次】週間ニュースダイジェスト
3/17(Fri)
- プラスワン・マーケティング、3月1日に提供開始したかけ放題アプリ「だれでもカケホーダイ」の店頭向けパッケージを販売開始。かけ放題の時間を1分、5分、10分から選べる。FREETEL利用者に限定せず他社スマホ利用者でも利用可能。ヨドバシカメラやビックカメラなど大手家電量販店で取扱。
- https://blg.freetel.jp/news/18501.html - MMD研究所が「2017年3月格安SIMサービスの利用動向調査」結果を発表。メイン利用のMVNOシェアは7.4％で、ワイモバイルを加えると初の1割超に。
- https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1638.html
3/21(Tue)
- 日本通信がソフトバンク網のMVNO「b-mobile S 開幕SIM」を22日から発売すると発表。SIMロックのかかるSBのiPhone、iPadでも利用可能。自社での発売と並行し、パートナー企業向けにサービス基盤や回線提供も行う。
- http://www.j-com.co.jp/news/1620.html - NTTデータ、スマホアプリと銀行口座を連動させたスマホ決済サービスの18年度上期サービス開始を目指した実証実験の実施を発表。スマホアプリに銀行口座を登録することで、加盟店で決済が可能に。実証実験はメガバンクや地方銀行などと協力し17年度上期に実施予定。
- http://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2017/032101.html - インターネットイニシアティブ、MVNO「IIJmio」を全国の大学生協で販売開始。全国大学生活協同組合連合会に所属する大学生協のうち201大学399店舗で取扱。
- http://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2017/0316.html - エコノミカル、MVNO「ロケットモバイル」で新プラン「アゲアゲプラン」予約受付開始。上り通信が最大75Mbpsの速度で使い放題で月額980円（7ヶ月目以降は1480円）。下り通信は速度保証なしで月100MBまで無料、それ以降は1GBごとに500円の従量課金。3月末までの期間限定・先着500名限定で予約受付、サービス開始は4月中旬を予定。
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000019031.html
3/22(Wed)
- VAIOがSIMフリースマホ「VAIO Phone A」を発表。2016年4月発売の「VAIO Phone Biz」のOSをAndroid 6.0.1に変更したモデルのためハードの仕様は基本的に同一。5.5インチのDSDS対応。市場想定価格は24800円。3月30日9時から受注開始し4月7日より発売の予定。
- http://www.vaio.com/news/pdfdata/pr46.pdf - U-NEXT、ソフトバンク網のMVNO「U-mobile S」の提供を22日より開始。ソフトバンクと接続している日本通信からサービス提供を受けたもの。「SoftBank 4G LTE」エリアで利用できるデータ専用SIM（SMS非対応）。自社店舗のほか、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、PC DEPOTなど量販店等でも取扱。
- https://umobile.jp/information/news/20170321/ - ピクセラがMVNO事業に参入し「ピクセラモバイル」サービスを開始。ドコモ網のMVNOで、高速データ通信容量無制限が特徴。月額1980円。同社のLTE対応USBドングルと同時申込の場合は1480円。
- http://www.pixela.co.jp/products/network/pixelamobile/ - プラスワン・マーケティング、MVNO「FREETEL」の新プラン「スマートコミコミ＋」の提供を開始。スマホ端末、データ通信、国内10分以内の通話かけ放題、端末補償などがセットになったパック。端末とデータ容量により価格が異なり、最安値は「Priori 4」を月100MB以内の利用で当初1年999円（2年目以降2499円）。
- https://blg.freetel.jp/news/18668.html - プラスワン・マーケティング、MVNO「FREETEL」専門店「フリーテルショップ」を6店舗オープン。都内5店舗（戸越銀座、中延、学芸大学、京成立石、高円寺）は4月1日正式オープン前のプレオープン。愛知県のリーフウォーク稲沢はグランドオープン。3月1日の第1弾6店舗とあわせ、12店舗に。今後も関東中心に全国拡大はかる。
- https://blg.freetel.jp/news/18696.html
3/23(Thu)
- ソフトバンク、5G向け候補周波数帯の1つである28GHz帯の実験試験局免許を3月15日に取得。東京臨海副都心で屋内外の実証実験を23日より実施。既に実験試験局免許を取得している4GHz帯、4.5GHz帯とあわせ3周波数帯での実験からノウハウを蓄積し、2020年頃の商用サービス開始を目指す。
- http://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2017/20170323_02/ - じぶん銀行がキャッシュカードを使わずにセブン銀行ATMで入出金できる「スマホATM」サービスを3月27日より開始すると発表。専用スマホアプリでATM画面上のQRコードを読み取り操作を行う。アプリに表示された企業番号と暗証番号をATMに入力し出金が可能。
- http://www.jibunbank.co.jp/service/smartphone_atm/ - ビッグローブ、法人向けのM2M用SIMで新プランの提供を開始。「BIGLOBE SIM」を活用したもので、上り高速70GB（4750円/月）、上り高速100GB（6250円）の2プラン。上りは最大50Mbpsだが下り最大256kbpsに制限し実現。車載カメラや防犯カメラなどでの活用を想定。
- http://www.biglobe.co.jp/pressroom/info/2017/03/170323-1 - ドローン屋内自動飛行を活用した残業抑制による社員健康管理サービス「T-FREND」提供で、大成、ブルーイノベーション、NTT東日本千葉事業部が基本合意。GPSを使わないため夜間の自動飛行が可能で、ドローン巡回時間に在籍する社員の退社を促す。
- http://www.ntt-east.co.jp/chiba/news/detail/20170323.html
3/24(Fri)
- ヤフーが自動運転分野に参入へ。自動運転技術による事業化を目指すSBドライブに約4.9億円を新規出資。同時にソフトバンクも約1.9億円を追加出資。「Yahoo!地図」などとの連携、自動運転車や利用者から得られるビッグデータの活用をにらむ。SBドライブの持株割合はソフトバンク51.1％、ヤフー48.6％、先進モビリティ0.3％。
- http://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2017/20170324_01/ - サードウェーブエクスチェンジが「じゃんぱら」店舗でiPhone修理サービスを開始と発表。総務省の登録修理事業者としての認定を取得済。iPhone5s、6、6sが対象。まずは東京6店舗、名古屋2店舗、関西4店舗の計12店舗で4月1日よりはじめ、順次対象店舗を拡張し全店舗展開を目指す。
- http://www.janpara.co.jp/press/p170324/ - NTTコミュニケーションズと日本マイクロソフト、クラウド分野で4月より共同開発・営業連携の協業開始と発表。MS「Microsoft Azure」とNTTコム「Enterprise Cloud」を組み合わせ、全世界で一体的に利用できるハイブリッドクラウド基盤を提供。中小企業向けにはOffice365とNTTコムのサービスを連携させたソリューションの提供も。
- http://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2017/0324.html - NEC、NTTのネットワークスライス実証実験に「vCPEソリューション」「IoTサービスイネーブラ」を提供。NTTが策定する将来の通信ネットワークの技術開発に関する「NetroSphere（ネトロスフィア）構想」の実現に向けた実験の一環。
- http://jpn.nec.com/press/201703/20170324_01.html - 楽天モバイルが5555円相当のポイントをプレゼントするキャンペーンを24日10時より開始。通話SIMと楽天でんわ5分かけ放題を専用サイトで申し込んだ場合のみで、端末とのセット購入時は不適用。
- https://mobile.rakuten.co.jp/campaign/sim_pointback/ - ドリーム・トレイン・インターネット、MVNO「DTI SIM」音声プランで「いますぐMNP転入」機能の提供を開始。SIMカード受取後、会員ウェブサイト上から開通手続を行った場合、従来は開通に最大2時間かかっていたが15分程度に短縮へ。同社によれば業界初の取り組みとのこと。
- http://www.dti.co.jp/release/170324.html - KDDIとテラドローン、4G LTE回線によるドローン自律飛行を行う「4G LTE運行管理システム」の開発を完了。4月より実証実験を実施へ。
- http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2017/03/24/2372.html - 17年2月設立のアニュータ、アニソン定額配信サービス「ANiUTa」（アニュータ）の開始を発表。月額600円（税込）で5万曲以上が聴き放題に。フライングドッグ、フロンティアワークス、ランティス、東宝、サンライズ音楽出版の楽曲はサブスクリプション初解禁。
- https://aniuta.co.jp/contents/89436
今週の注目記事
- トヨタ、ＮＴＴと自動運転技術で提携 ５Ｇ通信活用（日本経済新聞）
- 「格安スマホ」普及に弾み 携帯大手３社、ＭＶＮＯ向け接続料１０～２０％値下げ（SankeiBiz）
- iPhoneは世界をどう変えたか？（ITpro）
- 禁止か静観か、足並み乱れる欧州のゼロレーティング事情（ITpro）
- サブブランドがMVNO市場席巻、UQ mobileもシェア上位に（ITpro）
- 自動運転やAIを公共交通に導入するNTTドコモの狙い（ITpro）
- 2017年度後半に国内で始まるフルMVNO、IIJに次ぐ参入候補は？（ITpro）
- モトローラが攻めるSIMフリー市場--2万2800円の「Moto G5」も「ただ安いだけではない」（CNET Japan）
- 「ドコモオンラインショップ」チャットサポートの裏側に潜入取材（ケータイWatch）
- 投資進捗の遅れが鮮明になった通信キャリア3社の2016年度第3四半期決算（モバイルビジネス通信）
通信キャリア 今週の主な報道発表
3/17(Fri)
- 「auスマートバリュー」提携事業者に3月27日より飯能ケーブルテレビを追加、全国147社245局に（KDDI）
3/21(Tue)
- スーパーマーケット「ライフ」全店（265店）で「dポイント」導入へ、18年春を予定（NTTドコモ）
3/22(Wed)
- ソフトバンクのICT活用多言語対応観光クラウドプラットフォーム「Japan2Go!」、広島県福山市の観光アプリ「びんGO!福山」に採用（ソフトバンク）
3/23(Thu)
- 上越新幹線 高崎駅～上毛高原駅（手前）間トンネル内における携帯電話のサービスエリア拡大について（NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク）
- 沖縄セルラー電話、KDDI、スカイディスク、琉球大学、4月からマンゴー農場長北ファーム(宮古島)内で、IoTを活用したマンゴー栽培の実証実験を開始（KDDI）
3/24(Fri)
[03/27 16:45] 一部誤表記・誤字脱字の修正を行いました。