4月15日にインターネットイニシアティブ(IIJ)が開催したトークイベント「IIJmio meeting 15」。
登壇者による講演内容は別記事にて取りまとめた(総務省 内藤氏の内容/IIJ 堂前氏、佐々木氏の内容)が、本記事ではイベントの最後に行われた質疑応答の内容を詳報したい。
質問に対しては、イベントの登壇者であるIIJの堂前氏、佐々木氏ならびに総務省の内藤氏が回答している。 なお、イベントの模様は当日リアルタイムで中継されており、Twitterでも質問を募集していた。本稿ではその内容も含めている。
できたらいいなと思っており、技術調査をしているところ。具体的にどういったサービス内容にするかまでは検討が進んでいない。
今のMVNOのスキームではキャリアが対応していないので、我々もできない。フルMVNOになったらどうかについては、音声通話のフルMVNO化についてそこまで進んでいないので正直分からない。理論上はできるかもしれないが、実際できるのか、コストはどのくらいか、などの情報を持ち合わせていない状態。
まだ具体的な話は何もない。
サービスの具体的な作りのところまでは我々の検討が及んでいないというところでご容赦いただきたい。
Apple SIMはeSIMの実装のところからすると特殊なケースなのでああいった形にはならないと思うが、非常に簡便に契約できるように、と世界の事業者間で話が進められているみたいです。
是非やりたいと思っています(会場からどよめきと拍手が起きる)。
巻き取りはあまり考えていないですよね。
正直まだここまで(具体的な)検討は進んでいない。気になる点だと思うので、決まり次第アナウンスします。
実際のところHLR/HSSを持つことが大前提になるのではないかと思っていますが、キャリアでないと分からない。
難しい。今後発売される端末に対して適用していく。(キャリアがSIMロック解除に応じるまでの期間を100日程度以下にする)期間の短縮については、一般的に全ての端末に適用されることになる。
ここは難しい。キャリアが販売する端末はキャリアがメーカーに発注して作っているので、どうしても自分の周波数帯を優遇するのはある。他方でSIMロック解除の際に他のキャリアにも最低限対応するようにという形にはなってきている。VoLTEが一部使えないという話はあるが、最低限データと音声は使えるようにとメーカー・キャリアにお願いをしている。
たまたま他キャリアでも使える場合もあるかもしれないが、VoLTEの中の色々なパラメータに違いがあるので、キャリアごとに対応が必要だと考えられる。
パケット接続料は原価に適正な利潤を加えて算定することが決められているが、音声通話はその計算式の対象外。キャリアの交渉力が強いのでなかなか料金値下げが難しい状況。我々も「みおふぉんダイアル」のように別の通信会社と契約して、料金を下げたり(一定時間の)通話定額を投入している。
以前のIIJmio meetingで説明しましたたが、通信の公平性も我々は非常に重視している。
ご要望はいただいているが、今のところ提供予定はない。
確かに手間暇とコストをかければできなくはない。現状我々はそのコストを捻出できていない。ISPさんの中には既にISPの支払で口座振替を実現していて、MVNOにもそれを適用するのであれば低コストで対応できるが、IIJはISPの支払も個人向けではクレジットカードに限定していて口座振替のシステムがない。ゼロから作らないといけないので動きが鈍くなってしまう。
今は3Gしか使えないが、LTE化については今後検討していきたいと考えている。国についてはさすがに今の42から増やすのはもう少しハードルが高い。具体的な目途がある状況ではない。
できません
できません。今のところ16歳・17歳は婚姻の有無、親権者等の有無にかかわらず、入力画面で弾いています。
今回のイベントの中で、直近のIIJの取り組みの1つとして音声SIM「みおふぉん」の契約可能年齢を18歳に引き下げたことが紹介された。未成年者は親権者の同意が必要だが、説明時に堂前氏から「結婚していれば18歳でも成人とみなすので同意は不要」との説明があった。本質問はその内容を受けてのものと思われる。
「mineo」さんは我々より前にサービスを開始されたということで、その頃にはCDMA2000端末もまだ結構あった(ので対応されたと思う)が、後発の我々はマーケットが縮小する中でちょっと難しいよね、というのが正直なところです。
速度は大変申し訳ないが波があって、今はその波の中でもすごく下の方にいるという認識は我々も持っている。ただちに改善するのは難しいが、波の高いところに持って行けるよう継続的に頑張っていきたいと思っています。
バースト機能は働くが(通信規制で)絞っているので(バーストしていても)実感できないと思う。
ローミングのオンオフは現状対応していない。深夜・早朝の緊急停止は対応しており、メンテナンスもあるので受け付けられない時間もあるが、今はシステムで対応できるようになっていると聞いている。
我々もできたら面白いなぁとは思うが、うちはあまりたくさん買っている訳ではないので、というところです。
サブブランドに関してはMVNOからもご意見をいただいており、総務省としても優遇等がないか検証していくスタンス。KDDIとUQコミュニケーションズの間で回線の貸し借りがあるが、KDDIからUQに対して回線を貸す際に優遇があるかないかは、卸契約の届出をUQ側からももらっており、確認したところ特に優遇している状況にはない。それ以外の部分で優遇がないか引き続き検証していく。
テザリングは昨年秋にも指摘を受けており、SIMロック解除と絡めて、少なくともSIMロックを解除した端末については使えるようにすべきだと整理し、KDDI側で取り組んでいただいていると認識している。
ワイモバイルはソフトバンクの中の別ブランドで、優遇されているかどうか(の検証)は正直難しい。非常に安すぎて赤字覚悟で他社を排除するようなことがあったら問題だが、MVNOも増えているのでまだそこまでの状況ではないと思っている。
こういった問題が今非常にご指摘を受けていて、これから先解決しなければならない課題であることは、これまでの有識者会議のご意見等も踏まえて今年度・来年度MVNO側も何か考えていかなければいけないと考えており、検討しているところ。
「IIJが率先してやれ」というのはまさしくその通りだが、競争の中で他社が「何百メガ使えます」という中で「IIJは申し訳ないですが昼間は、、、」というのは我々のビジネスがおかしくなってしまうので全体のバランスを見ながら検討していきたい。
ある意味、業界団体を通じて皆さんで前に進む、という。
ルールを作っていかなければならない。その業界活動にIIJも参加していきたい。
総務省の方では、速度制限等を行うのであればそのことをユーザーに説明した上で契約をしてください、としている。そういった部分をきちんとしているかを見ていく。
カウントフリーに関しては総務省としての見解がまとめきれていないが、料金設定のためにデータ量やパケット量をカウントするのは正当業務であり、それ自体が通信の秘密に触れる、とはなりにくいと思っています。
ルールで格差をある程度なくそうとしているが、もともとかかったコストを回収するので(会社ごとにコスト構造が違うので)差は残ってしまう。
端末が実質ゼロ円を下回らないようにとガイドラインを作った。MNOも遵守が上手くいっていない場合があり度々行政指導等を行っているし、今後も注視していく。
今のところ増え続けています。
制限はないです。
ドコモからどれだけ多く帯域を借りるか、設備投資をしているかで差が出る。
これは公開していないですよね。
今モニタリングを実施していて、新しく作った消費者保護ルールについてどういう状況か確認している。その中で判明した点は、公表はあまりしないが、個別に各事業者に対して要請をしている。
我々は消費者保護ルールを作っており、そこが最低ラインだと考えているので、まずはそこを徹底してもらう立場。
こういった場合の検討が進んでいるとか、消費者保護の枠組みが現時点であるかと言われると非常に難しい。総務省ガイドラインには(廃業1ヶ月前に事前に通知すべしという)廃業規定はあるが、具体的な事例が発生した際に利用者の皆様にご迷惑がなるべくかからないようにできればいいなと思っている。
計測方法をきちんと確立していくのが一番効果的な方法ではないかと考えている。
ソフトバンクで90日間経つとできないのは個人情報保護との関係だと聞いている。一定期間で個人情報を破棄するので利用者かどうかが判断できないという。他のルールとのバランスもあり、ただちにこれが問題とも言いにくい。
- #15:「SIMロック解除してもMVNOが使えないケース」「IIJがフルMVNOを目指す理由」を解説
- #14:IIJの技術検証で浮き彫りとなった、MVNOと携帯サブブランドの「格差」
- #11:参加者との一問一答を速報
- #9:「新サービスの提供予定」「クーポン3000GBプレゼントの狙い」など、参加者との一問一答を詳報
- #8:iOS端末とMVNOの相性、MVNOの将来像、周囲に勧める際のポイント等を解説
- #7:「SIMフリースマホに潜む落とし穴」や「iPhoneとVoLTEと中継電話の関係」などを解説
- #6:SIMフリースマホの選び方から通信品質・MVNO施策まで幅広い内容の講演に
- #5:「MVNOだとGPSがうまく使えない」噂は本当か?の解説も
- #4:VoLTE対応の検証結果を公開、初心者向けにSIMカードの基礎講座も
- #3:格安SIMにおける音声通話の実態と通信品質ポリシーを説明
- #2:「音声通話機能付与の予定は?」など、参加者から質問相次ぐ
- #1:SMS対応SIMの投入で挙動が改善、MVNOによるSIMの普及の鍵は