総務省は3月21日、2016年12月末時点における「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」を公表した。
携帯電話にPHS・BWAを加えた移動系通信の契約数は1億6700万、そのうちMVNOサービス(MNOであるMVNOを除く、以下同)の契約数は1485万だった。いわゆる格安スマホの契約数を示す「SIMカード型」MVNO契約数は9月末の758万から49万増の807万契約だった。そこで今回は、公表データをもとに、市場全体におけるMVNOのポジションを取り上げたい。
総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」をもとにMCA作成
上の図は、総務省のデータをもとに、四半期ごとの「携帯電話」「PHS」「MVNO(携帯電話とPHS回線の合計)」の純増数を算出しグラフ化したものである。なお、公表数値の一部が変更されたため、過去の当連載にて掲載したグラフと数値に差異が生じている。
2016年10~12月期は、携帯電話が116万契約増、PHSが15万契約減だった。総務省のデータでは、MVNOは携帯電話とPHSの合算で公表されており、2016年10~12月期は58万契約増となった。携帯電話・PHSの純増数合計とMVNO純増数から「MVNO比率」を算出したところ、57%だった。
2015年4月を境にMVNO比率はおおむね50%超を維持しており、堅調な動きをみせている。とはいえ、純増数に目を転じれば、右肩上がりで伸びていた2014年後半から2016年3月にかけてと比べるとどうしても見劣りしてしまう。
踊り場感も出るなか、MVNO事業者数はこの3ヶ月間で57増えて12月末時点で668事業者にまで膨らんでいる。限られたパイを巡るMVNO事業者間の顧客獲得競争はますます激化しそうだ。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて3月31日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
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