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150ヶ所を突破したMVNOの「単独店舗」、4月以降も出店相次ぐ

リアル店舗が少ないと言われてきたMVNOだが、今では多くの事業者が家電量販店やショッピングモール、携帯併売店等の中に「受付カウンター」を設置している。MNPを含め即日開通できる拠点を100ヶ所以上有するMVNOも珍しくない。カウンターという限られたスペースでの展開が進んだ背景には、安価な料金体系でサービスを提供しているため、単独で店舗を出しにくいMVNO側の事情がある。しかし、その定説が変わりつつあるようだ。

店舗の一部スペースに設置する「カウンター」ではなく、MVNOサービスの販売を主軸に据えて開通手続にも対応する専門ショップ(以後「単独店舗」と呼ぶ)を構える事業者もここ1年ほどで増えてきた。全国の単独店舗数を集計したところ、主要MVNO事業者だけで全国に174店舗あることが分かった。

なお、今回は店舗展開の大枠を探るのが目的のため、単独店舗か否かの線引きはおおまかなものにとどめた。例えばUQコミュニケーションズの「UQスポット」店舗はauの新規・機種変更手続も受け付けているため厳密にいえば併売店となるが、実態を鑑みて単独店舗数に含めた。逆に、同じサブブランドでくくられるワイモバイルはMNOに位置付けられるため対象外とした。また、複数のMVNOを取り扱って顧客ニーズにあった商品を提案する、いわゆる乗り合い型店舗も今回はカウントしていない。

データに戻ると、やはり関東・関西が中心で、東京都・神奈川県・大阪府の上位3都県で全体の半数を占めている。一方、単独店舗が全くない県は15にのぼっており、偏在の実態が明らかになった。

事業者別にみると、店舗数最多はUQコミュニケーションズの「UQスポット」で、既に50店舗を超えている。4月に入ってからも、既に青森・石川・東京・愛知・福岡・熊本に新店をオープンさせている。同社によれば、2017年度末に全国100店舗体制に拡大するという。

他社も店舗網の拡大に取り組んでいる。楽天「楽天モバイル」やプラスワン・マーケティング「FREETEL」(関連記事)、イオンリテール「イオンモバイル」(関連記事)などが4月に新店を開店させている。

これら動向を踏まえると、今後も単独店舗数は着実に拡大しそうだ。気軽に相談できる場所が増えることは消費者にとって喜ばしいことだが、その一方で店舗運営コストは巡り巡って月々の利用料に跳ね返るため、単純に増やせばいいという話でもない。料金とサービス・サポートのバランスをどう保つのか、他社動向をにらんだ神経戦が各社間で続きそうだ。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて4月21日に公開された記事となります。
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