モバイルキャリア各社が2016年度通期決算を発表した。その中から、ネットワーク設備投資の動向と計画に関するデータを取り上げたい。
2016年度はNTTドコモとKDDI(au)が横ばいも、大幅減となったソフトバンク
2016年度におけるキャリア各社の設備投資額は、NTTドコモが5971億円、KDDIは5194億円、ソフトバンクが3205億円で、合計1兆4370億円となっている。NTTドコモは当初、5850億円を計画していたが、通信事業(LTE)への投資を積み増した格好となる。
KDDIも期初計画は5600億円を計画していたが、第3四半期決算時に5300億円に下方修正され、結果として、下方修正値から106億円の縮小になった。一方、ソフトバンクは四半期決算ごとの投資進捗が悪く、前年度920億円減で、2013年度をピークに投資額が下がり続けている。
2016年度はNTTドコモが縮小も、KDDIとソフトバンクは拡大
2017年度はNTTドコモが5700億円、KDDIは5300億円を計画している。計画値を開示しないソフトバンクは、弊社が最近発刊した「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2017年版」によれば3900億円と推定され、合計1兆4900億円となる。NTTドコモが若干、投資を抑制するのに対し、KDDIは2015年度並みの微増で、今後は投資抑制ではなく、横ばいを計画している。
2016年度に大幅減となったソフトバンクは2017年度に拡大する考えで、2015年度には届かないものの、4000億円規模が想定される。ソフトバンクの投資回復により、3社合計の2017年度投資額は微増となる見込みである。
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