本誌既報の通り、4月中旬の時点で150ヶ所を突破したMVNOの「単独店舗」。今回はその後の状況をフォローしてみたい。
店舗の一部スペースに設置する「カウンター」ではなく、MVNOサービスの販売を主軸に据えて開通手続にも対応する専門ショップを「単独店舗」と位置付け、その出店状況を集計したところ、6月末時点で主要MVNO事業者だけで全国に229店舗あることが分かった。
3月末時点では155店舗だったので、この3ヶ月間で74店舗増えたことになる。集計では閉店分を差し引いているため、オープンした店舗はこれよりも多くなっている。
店舗数の増加を牽引しているのが、「UQ mobile」(UQコミュニケーションズ)と「FREETEL」(プラスワン・マーケティング)だ。この3ヶ月、2社だけで約60店舗オープンさせており、他社を圧倒している。偶然だが、今日も2社とも新店舗をそれぞれ開店したと発表している(UQコミュニケーションズが「UQスポット 三軒茶屋」、プラスワン・マーケティングが「フリーテルショップ板橋区役所前」をそれぞれ東京都内に新設)。
この動きは他社にも広まりつつある。4月以降、イオンリテール「イオンモバイル」(関連記事)やニフティ「NifMo」(関連記事)が新たに単独店舗の出店に踏み切っている。
とはいえ、業界全体の動きになるとは言いにくい。MVNOの実店舗は、量販店や携帯併売店などへのカウンター設置、小売事業者の自社店舗内販売、複数のMVNOを取り扱う乗り合い型店舗など形態が多岐にわたっており、単独店舗はチャネルの1つにすぎない。また、あえて店舗を置かない選択肢もある。利用者とのタッチポイントをどう構築すべきか、各社の試行錯誤が続きそうだ。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて6月30日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
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