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電気通信事業法施行規則等改正案のポイントを整理する

総務省は6月23日、電気通信事業法施行規則等の一部を改正する省令案等を公表した。そこで今回は、改正案のポイントを整理したい。

総務省は昨年末から今春にかけて31のMVNO事業者に対してアンケートやヒアリングを行い、接続や卸契約におけるMNOの役務提供の状況を調査した。一方でUQコミュニケーションズ、Wireless City Planningを含むキャリア(MNO)5社にもヒアリングを行っている。

今回の改正案はその結果も踏まえたもので、MNOがMVNOに回線を貸し出す際の提供条件の透明性・適正性の確保に向け、開示情報の追加が数多く盛り込まれている。

MVNOがMNOから回線を借りる際には「接続」と「卸契約」の2つの方法がある。接続は、MNOが予め総務大臣に対して届け出た接続条件に基づくもので、提供される機能も省令で規定されている。一方の卸契約は、MVNOとMNO間で個別に提供機能や料金・条件等を定めることができる。ただし実情としては、接続約款と同等の内容が「卸標準プラン」として提示されていることが多いため、大半のMVNOは卸契約を選択している。

今回の改正案では、接続約款への記載事項ならびに卸契約に関する届出事項を追加し、透明化をはかっている。

また、MVNO側からの「SIMカードの貸与料金の算定方法が不透明で割高感がある」との指摘を受け、接続料算定において「SIMカード」を構成要素として切り出すとともに、接続料計算に必要な原価と利潤について新たな算定方法が追加されている。

なお、今回の改正案に示された項目が今まで全く情報開示されなかった訳ではない。例えば障害情報であれば、MNO側はユーザ向けと同じタイミングで通知を行っているとしているが、MVNO側から情報のスピードおよび内容に対し意見が寄せられたことを踏まえ、迅速な通知責任の明確化が行われた次第だ。

今回の改正案については現在意見募集(いわゆるパブリックコメント)が行われており、7月24日に締め切られる予定だ。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて7月14日に公開された記事となります。
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