NTTドコモの「ドコモ光」、KDDIの「auスマートバリュー」、ソフトバンクの「おうち割」など、キャリア各社は携帯電話と自宅のインターネット回線をセットにした割引サービスをそれぞれ提供している。
セットでの割引で携帯電話の解約が抑制できることもあって各社ともに強化をはかっている。そんな中、ネット回線を持つケーブルテレビ局(CATV)との連携を通信キャリア各社が加速させている。
CATVとの提携に以前から力を入れていたのはKDDIだ。2012年3月に開始した「auスマートバリュー」は当初からCATVの固定通信サービス利用者も割引対象に組み込んでおり、現時点で対象となるCATVは約150社に達している。
これに対し、巻き返しの動きを見せているのがNTTドコモとソフトバンクだ。
NTTドコモは、CATVの設備を使って光インターネットサービスを提供する「ドコモ光タイプC」を2016年12月より提供している。3月1日からは、秋田ケーブルテレビ、香川テレビ放送網、多摩ケーブルネットワークが提携先に加わり、あわせて9社と提携を結んでいる。
同じ3月1日に、ソフトバンクは秋田ケーブルテレビ、香川テレビ放送網、西尾張シーエーティーヴィの各社に固定電話サービス「ケーブルライン」の提供を開始した。ケーブルラインは「おうち割 光セット」の対象サービスとなっている。
今回、NTTドコモとソフトバンクの2社と連携を開始した秋田ケーブルテレビ、香川テレビ放送網は、以前より「auスマートバリュー」の対象となっており、これによって全ての通信キャリアと連携したことになる。
実際、香川テレビ放送網は、公式サイト上で「四国初 ケータイ3社をカバー」と、どの通信キャリアの携帯電話と組み合わせても割引が適用できることをアピールしている。
CATVとのつながりでいえば、社数の多さでKDDIのアドバンテージはまだ圧倒的といえる。とはいえ、NTTドコモとソフトバンクが追従することで、CATVを巡る陣取り合戦の様相を呈してきたといえるだろう。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて3月16日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |