株式会社MCAは、国内主要キャリア各社の設備投資に関する調査を実施した。今週と来週の2回に分け、その結果を取り上げてみたい。前編となる今回は、設備投資総額ならびに機器投資の現状と予測に焦点を当てる。
投資抑制に下げ止まり感
キャリアグループ各社の設備投資額はこれまで抑制傾向が続いていたが、NTTグループ(通信4社)を除き、下げ止まり感が出ている。そのため、KDDIやソフトバンクグループは2017年度並みの投資が2018年度以降も続くものとみられる。
また、NTTグループは今後も微減傾向が続くものの、2021年度で1兆1,500億円の投資が見込まれ、国内通信市場の投資を牽引していく。なお、2020年には5Gサービスが開始される計画であるが、5G向けの大幅な投資増は見込めず、これまで4Gに割り当てられていた投資が5Gにシフトしていくものと推測される。
国内キャリア機器投資、18年度以降は微増で推移
2014年度に約5,400億円を投下していた国内キャリア各社のネットワーク機器投資が2017年度に約3,800億円にまで落ち込んだ。国内キャリア各社の投資抑制が原因とみられる。
ただ、2018年度以降、機器投資自体は微増で推移していくものと推測される。設備投資額は今後も横ばいが続くものの、急増するトラフィックに対し、投資内訳における機器投資の比率が高まると見られるからだ。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて6月1日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
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