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MVNOの純増数が横ばいの中で跳ね上がったMNO純増数、その実態は

総務省は2018年3月末時点における「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」を6月22日に公開した。そこで今回は、公表データをもとに市場全体におけるMVNOのポジションを整理してみたい。

MVNOの純増数が横ばいの中で跳ね上がったMNO純増数、その実態は

公表データの中でMVNOのポジションを端的にあらわしているのが、純増減数の四半期推移を示したグラフだろう。

(出典:総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」)

これによると、2018年1~3月期の契約数は、MVNOが76万増だったのに対し、MNOは183万増で大きく開きがある。ここのところ散見される「サブブランドやMNOの低価格プラン拡充で、MVNOの勢いに陰り」という見方を裏付けるものといえるだろう。

しかし、MNOの純増数がここまで跳ね上がった最大の要因は、IoTやM2Mの拡大を受けて通信モジュールの契約数が積み上がった点にあるのだ。2018年1~3月期だけで、MNOの通信モジュール契約数は189万も増加している。つまり、通信モジュールを除けば契約数は減少していたことになる。

MCAが、変動の大きな通信モジュールを除いた純増数を算出しグラフ化したところ、コンスタントに純増を維持するMVNOと、増減を繰り返すMNOという別の側面が浮かび上がった。

「格安スマホ」に代表される、主として個人向けの契約獲得状況を把握するためには、通信モジュールの影響を除外した方がより実態に近づけるといえる。MCAでは今後も定点観測を試みたい。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて6月29日に公開された記事となります。
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